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三つのニヒリズム

三つのニヒリズム

1) 「神」が死んだという普通の意味でのニヒリズム。
2) 「神」が生きている(だが<神>は死んでいる)という根源的なニヒリズム。
3) 徹底的に「神」が死ぬ(だから<神>が生き返る)という徹底的なニヒリズム。

永井均「これがニーチェだ」 講談社現代新書 1998年 p87 「三種類のニヒリズム」の項より引用。

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<神> vs「神」の表記法の定義: キリスト教の神だけを意味するのではなく、それを超えた神性一般を<神>と表記。キリスト教の神を「神」と表記。 永井 同書 p80、p83 より。

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nihilism 手元のウィズダム英和によると
1 (哲学)虚無主義 ニヒリズム (全実在・慣習的信念などを否定する思想的立場)
2 無政府主義; [N-]虚無主義(19世紀後半のロシア急進派の革命思想)

nihilism 手元の研究社・寺澤・英語語源辞典によると
1 (a1817)虚無主義(既成の宗教や道徳の完全否定) ドイツの哲学者 F.H. Jacobi (1743-1819) の造語
2 (1868)(ロシアの革命派の唱えた)ニヒリズム

ニヒリズムということばの意味は上記のように大きく二つに分けられ、さらに2の意味でも二つの意味がある。ニヒリズムという言葉を使い続けるなら、もう少し整理することが必要だ。ニーチェの思想の文脈であれば、もちろん、1の意味。哲学上の虚無主義・ニヒリズムのことで、こちらの使い方の方が本来の意味。

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