こんな時は不思議なもので眼がものをいいます。

2016年1月3日 霧のち快晴(美作)

森鴎外 高瀬舟 大正5年1月1日(朗読:日高徹郎さん http://www.voiceblog.jp/ted606/car3.html)

庄兵衛は喜助の顔をまもりつつまた、「喜助さん」と呼びかけた。
今度は「さん」と言ったが、
これは充分の意識をもって称呼を改めたわけではない。
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次第にふけてゆくおぼろ夜に、
沈黙の人二人(ふたり)を載せた高瀬舟は、
黒い水の面(おもて)をすべって行った。

底本:「山椒大夫・高瀬舟」岩波文庫
初出:「中央公論 第31年第1号」1916(大正5)年1月1日発行

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