道教神仙思想からきている天武和風諡号

2016年2月21日 日曜日 雪

小林惠子(こばやしやすこ) 高松塚被葬者考ーー天武朝の謎ーー 現代思潮社 1988年

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天武の和風諡号の天淳中原瀛真人天皇(あまのぬなはらおきのまひとのすめらみこと)が道教・神仙思想からきていることはすでに定説となっているが、あらためていうと、
中原は「中原に鹿を追う」の中原、つまり覇者のいる場所であり、
淳(ぬ)は、水、あるいは沼、
瀛は海、東方海中三神仙の蓬莱、瀛州の瀛であり、全く神仙思想から来ている。
この三神仙(補注:小林本では「山」)に不老長寿の仙薬を求めさせるために徐福らを東海に船出させた秦始皇の話は有名であるが、始皇は自らを真人と称した。真人とは荘子の思想にある道教の奥義(補注:小林本では「儀」)を極めた者を真人というところからきたものである。
このように諡号にかんしても道教・神仙思想を具現していると云ってよいのである。(小林、同書、p161)

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呉音 : ジョウ(ヂャゥ)
漢音 : テイ(ティ)
訓読み
とど-まる、ぬ

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天武
漢風謚名 天武(てんむ)という称号は記紀の編纂にあわせてつけられた謚名(おくりな) 
倭言葉で贈られた謚名 天淳中原瀛真人天皇(あまのぬなはらおきのまひと) 

『日本書紀』天武天皇即位前紀

天渟中、渟中、此云農難(ヌナ)原瀛眞人天皇、天命開別天皇同母弟也。幼曰大海人皇子。生而有岐㠜之姿。及壯雄拔神武。能天文遁甲。納天命開別天皇女菟野皇女、爲正妃。天命開別天皇元年、立爲東宮。

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【瀛州】 えい‐しゅう〔‐シウ〕《「えいじゅう」とも》中国の神仙思想に基づく仙人の住むという島。東方海上にあるという三神山の一。
ウィキペディアによると・・・ https://ja.wikipedia.org/wiki/瀛州
瀛州(えいしゅう)は、古代中国において、仙人の住むという東方の三神山(蓬莱•方丈)の一つ[1]。転じて、日本を指す[2]。「東瀛(とうえい)」ともいう[3]。日本の雅称である[4]。魏晋南北朝時代の487年から隋の時代にかけての、行政区分のひとつ(後述)。

瀛 WEB字書によると・・・
1.海。大きく広い海。大海。大海原。 2.沢。池や沼。
音読み 呉音 : ヨウ(ヤゥ) 漢音 : エイ(エィ) 訓読み うみ
この字は白川・字統には掲載されていない。ただし、さんずいのない嬴(エイ)の字は載っている。みちる。

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