福島原発事故分析:3号機と2号機の炉心溶融を避けることができた可能性

2016年3月5日 土曜日 快晴

田辺文也 解題「吉田調書」 ないがしろにされた手順書(4)続・ベント操作が事故を深刻化させた 世界(岩波書店)p224- 第八七九号 2016年3月

優先されたベント操作が、炉心損傷前は「やらなくてもよい」もしくは「やっても意味のない」ものだったということである。さらに、炉心損傷後は・・ずるずるとベント操作を続けることで・・「やってはいけない」操作に努力を傾注していた。(田辺、同書、p224)

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もし手順書がないがしろにされず、適切に参照されていたならば、福島原発事故において3号機と2号機の炉心溶融を避けることができた可能性が高い。その場合、福島原発事故による放射能放出は1号機のみからとなり、総放出量は実際の約10分の1となる。・・3号機と2号機の炉心溶融が回避できていたならば今だ10万人以上の人が非難を余儀なくされるという事態にはならなかったことを意味している。ただし12日から14日未明までの初期被曝の問題は残される。上記推定の根拠は・・以下、略・・・(田辺、同書、p235)

事故分析は全く科学的営みそのものであり、観測されたデータを説明できる仮説を構築し、それをさらに異なるデータまたはアプローチから検証するということの繰り返しによってのみ真理に到達し得る性格のものである。・・手順書と照らして事故時に実際にとられた判断と操作が適切であったか否かを詳細に分析することは事故分析の王道の出発点であるにもかかわらず、そのことにことさら触れようとせず沈黙が支配していること自体が異様な光景である。(田辺、同書、p237)

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