ハート模様のエサキモンキツノカメムシ

2016年10月11日 火曜日 晴れ

身近なムシの新常識

森昭彦 身近なムシのビックリ新常識100 いもむしが日本を救う? めったに見つからないカブトムシ? サイエンス・アイ新書 ソフトバンク・クリエイティブ 2008年

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エサキモンキツノカメムシ ハート模様は愛のしるし
・・ところがエサキモンキのママは、産卵したタマゴの近くで番をする。飲まず食わずのまま、誰かが近づこうとすれば、タマゴに駆け寄って、ひっしと胸に抱く。・・姿を覚えてしまえば、あのハートの効果は絶大。やはり最大の天敵「人間」を味方につけた。  人間だらけの世界で勢力を保つには、ヒオドシチョウのようにきわめて地味なファッションでゆくか、あるいは輝いたりキュートな模様を獲得するか。ムシたちは近所の草むらの隅っこで、新たな進化を始めているのかもしれない。(森、同書、p132-3)

補注 エサキモンキツノカメムシ ・・読み方は、エサキ・モンキ・ツノカメムシと音節を分けるとわかりやすい。
ウェブ情報 http://mushinavi.com/navi-insect/data-kame_esaki.htm によると・・
本種の長ったらしい和名は、種名であり学名記載者のエサキに黄色い紋、ツノカメムシ科から由来している。Sastragala esakii 学名、とのこと。

補注の補注 学名と和名に人の名前を使うことについて、以下に私見を述べる。

学名にエサキという記載者の名前をつけるのは、まあ良いとしても、和名にはできるだけ人の名前を付けるのを避けた方が良いと思う。和名には、その動物や植物の特徴を取り入れることにより、他と識別するのに役立ち、合理的に名前を記憶でき、また思い出せるからである。通常、人の名前は最も忘れやすく、混同しやすく、言い間違えやすい場合が多いのに、(恥ずかしながら)年齢を経るに従って気づかされるからである。

つい先日読み終えた塚本珪一さんの「糞虫記」でもそのような意見が述べられていた。つまり、和名に人名を使わない方が良い、学名では許す、という意見である。

本当のことをいうと、学名にもその動物や植物の特徴を取り入れる方が望ましいとは思う。けれど、便宜上、学名には人の名前を使っても許されるだろう。なぜなら、以下のような便宜に学名を使うからである。つまり、本当にその種の特徴であるのか、別の種にこそ相応しい特徴であるのか、知見がより深まった後でないと判断できない時期が長いことがしばしばであろう。そんな時期にも学名が無ければ考えたり話し合ったりすることが難しい。そんなわけで、安易に人の名前などを付けた方が学問的には便宜であることも多いと思われるからである。

一方、和名に関しては、そのムシや植物に相応しい名前をつけて、より多くの人々に知ってもらい話し合ってもらうことが、我らの言葉や(科学を含む広い意味での)文化そして環境を豊かにしていくことにつながる。良い和名が私たちを豊かにしてくれると思うのである。

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