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北海道のセンチコガネは飛翔できない

2016年10月10日 月曜日 祝日で休み 東京は晴れ・曇り(時に雨パラパラ)

塚本珪一 日本列島フン虫記 青土社 2003年

Dwellers, Rollers, Tunnelers の三分類、すなわち、住むタイプ、転がしタイプと坑道タイプ:
日本では住むタイプはマグソコガネ類、転がしタイプはマメダルマコガネ、坑道タイプはセンチコガネやダイコクコガネなどによって代表される。(塚本、同書、p12)

オオセンチコガネは各地ごとに固有な色彩集団を形成し、隣接するところでは色彩も連続性を見せる。今後、オオセンチコガネやセンチコガネの色彩基準についてさらに簡単な表現法が示されることが必要であろう。(塚本、同書、p63)

トラップをかけることはその地域の昆虫相の調査には必要なことであるが、できる限り素材は現地調達であること、必ず回収することなどを守るべきである。近年、一部虫屋の採集法やトラップの後始末が悪いことで不評であったが、残念である。(塚本、同書、p66)

北海道のセンチコガネは飛翔できない:
鈴木・他(二〇〇一)は、北海道の札幌、厚岸の二地点、横浜、静岡、栗東、の三地点のセンチコガネの飛翔能力を比較した結果、北海道の二地点のセンチコガネの飛翔筋は未発達で、本州のそれは発達していたと報告している。・・・(中略)・・・ ふつう飛べない甲虫は後翅が退化する場合が多いが、筋肉の退化もあることがわかった。フン虫ではマルマグソコガネ、ヤクシマエンマコガネ(屋久島)、マルダイコクコガネ(奄美大島、徳之島)が後翅退化で飛ぶことができない。(塚本、同書、p74)

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