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石炭紀に羊膜類が現れ、単弓類と双弓類に分かれる

2016年11月1日 火曜日 曇り

川崎悟司(イラスト・文) ハルキゲニたんの古生物学入門 古生代編 築地書館 2016年4月30日初版発行

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補注 これもまた面白い本である。イラストとわかりやすい文で構成されている、学術イラスト図鑑本である。今回は古生代編だけを購入して通読したが、続編も買って読まねばなるまい。 古生代の地球と生き物の姿を概観するのに役立つ、入門書。 日本に優秀なイラストレーターがいて、日本語で楽しみながら読めるのは嬉しく誇らしいことだ。これらの蓄積が未来への文化資産にもなっていくことだろう。 中高生から大学生、社会人、そして退職大学教授に至るまで、地球と生き物に興味がある多くの人にお奨めしたい。

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石炭紀
そこで両生類の仲間から
あらわれたのが羊膜類!

羊膜類が産む卵は、
卵のなかにある胚を羊膜と殻で包み、乾燥とかから守るようになっていて、
胚を陸という環境から守るシェルターカプセルみたいなもんなんだね。
・・・(中略)・・・
この時代(石炭紀)にはじめて、陸でも繁殖可能で、
一生涯を陸地で過ごした爬虫類と単弓類があらわれたんだよね。
(川崎、同書、p66)

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単弓類ってなに?
・・この羊膜類は、おもに大きな2つのグループに分かれていくのですが、
それが単弓類と双弓類です。
・・頭骨の両側の眼窩の後ろに、口を閉じたり開いたりする顎の筋肉が収まる側頭窓と呼ばれる大きな穴が開いていまして、
これが「弓」を指しているのでありますが、
この穴が、単弓類では両側にそれぞれ1つ、双弓類では2つあるのですね。

この単弓類の特徴を示す現在の動物と言えば、哺乳類になるのですよ。
そして、双弓類は爬虫類と鳥類にあたるのです。

そうそう、ちょっと前までは教科書に「哺乳類は爬虫類から進化した」という説明があったようなのですが、2012年度用教科書からはそのような記述はしなくなりましたね。今や、哺乳類と爬虫類はそれぞれで進化してきた別物、という見方が主流になっているようです。(川崎、同書、p72-73)

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