チャペック 園芸家の一年

2016年12月11日 日曜日 雪

カレル・チャペック 園芸家の一年 飯島周・訳 平凡社ライブラリー825 2015年

庭はいつになっても、けっして完成しない。その意味では、庭は人間の社会、および人間のいとなみのすべてに似ている。(チャペック、同書、p176)

この下のほう、この大地の下にこそ、真の仕事がある。ここに、ここに、新しい茎が成長している。ここからあそこまで、この十一月の辺境の中で、三月の生命が突進していく。ここ大地の下には、偉大な春のプログラムが描かれている。・・そして、きびしい寒さで土が凍って硬くならぬうちに、もっと向こうまで掘り進むのだ。秋のうちに早々と準備しておいた仕事のおかげで、春には緑の丸天井が築かれる。わたしたち秋の仕事人は、それで自分の役割を果たしたわけだ。  大地の下の、固く丸っこい芽、球根の頭にある腫瘍、ひからびた葉のかかとの下にある奇妙な出っぱり。それらは、春の花がとび出す爆弾だ。  春は芽吹きの時期だ、とわたしたちは言う。現実には、芽吹きの時期は秋だ。自然を眺めている限り、たしかに、秋は一年の終わりと言える。しかし、むしろ、秋は一年の始まり、と言ったほうが、もっと当たっている。(チャペック、同書、p195-196)

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補註 このウェブサイトに新しいカテゴリーとして gardening の項を追加した。horticulture と gardening とどちらにしようかと迷ったが、よりくだけた gardening という言葉を選んだ。日本語では、園芸、庭作り。

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