果樹の接ぎ木・さし木・とり木

2017年1月24日 火曜日 晴れ

小池洋男・編著 だれでもできる 果樹の接ぎ木・さし木・とり木 上手な苗木のつくり方 農文協 2007年

リンゴ 
 矮性台木のM26台木やM9台木を用いた場合の樹体サイズは比較的小さく、主に並木植えの密植条件で栽培される。これらの台木は、休眠枝を用いた実用的なさし木繁殖がほとんど不可能で、取り木繁殖によって台木生産される。
 最近、マルバカイドウ台木とM9台木の交配で育成されたJM7台木の利用が増えつつある。これはさし木繁殖が可能な矮性台木である。(同書、p50)

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補註 JM7台木
私たちの果樹園に昨年秋に定植したブラムリーリンゴの台木は、JM7台木である。JM7台木を自ら増やすことは今後も決してないのだけれど、自分たちが育てている苗がどのような性質のものか良く理解している必要がある。

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ブドウの「緑枝接ぎ」
圃場で台木の新梢に穂品種の新梢を接ぐ「緑枝接ぎ」(同書、p80)

台木品種の選択
半矮性のテレキ5BB
欧州系品種のように樹勢の強い品種や肥沃な土壌では、半矮性の3309や矮性の101-14などの利用も検討する。

さし木・発芽後の管理
 発芽、伸長した新梢は、支柱を立ててまっすぐに誘引し、生育を助ける。
 新梢の生育が良好な場合は、さし木当年に台木として接ぎ木に利用できる。伸長が不十分な場合はそのまま一年間養成し、来春基部まで切り戻して、新たに発生した新梢に接ぎ木を行う。(同書、p82)

緑枝接ぎの方法
 接ぎ木時期
 接ぎ木時期は、開花前の5月下旬から6月中旬が適期である。これより早くて樹液流動が活発な時期や、逆に遅くて台木新梢の硬化が進んだ時期では活着が悪い。(同書、p82)(補註:本州と比べて北海道では発芽・開花ともに約一か月遅れるので、「接ぎ木時期は、開花前の6月下旬から7月中旬が適期である」と読み替えると良いかと思う。)
 穂木の採取と調製
 穂木は生育良好で充実した新梢(葉数10枚以上に伸びた枝)の、中央部からやや基部寄りの部分を採取する。枝がやや硬くなり副梢の活動が始まっている節が最適である。
・・・(中略)・・・
 活着の確認
 活着すると、接ぎ木後一週間程度で穂木の葉柄が黄変し脱落する。この現象が確認されればほぼ接ぎ木成功と判断できるが、穂全体が萎れてくれば残念ながら失敗である。
 穂品種に休眠枝を用いた緑枝接ぎ
 ・・①穂木が確保しやすく、穂木を持っての圃場間の移動が容易、②活着後の新梢伸長が旺盛などのメリットがある。
 基本的な管理は緑枝の場合と同様であるが、穂木が乾燥していると著しく活着が劣る。健全な状態で接ぎ木適期の5月まで保存することができれば、緑枝よりも優良苗の生産が可能である。(同書、p83)(補註:北海道では剪定が11月中下旬、それから接ぎ木適期の6月まで、延々7ヶ月間に渡って乾燥させないで冷蔵保存しなければならない。野菜と一緒に冷蔵庫に入れて頻繁に戸の開け閉めを行うようでは厳しいかもしれない。穂木の保管のために冷蔵庫を新調する必要が・・懸念される。)

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