ディケンズ 朗読短篇選集

2017年4月2日 日曜日 晴れ

ディケンズ 朗読短篇選集 小池滋編著 北星堂 2006年 (Charles Dickens; Selected short stories for public readings

補註 この選集に採られているものは以下の6編:
バーデル対ピックウィック裁判 小池滋訳
ボブ・ソーヤー氏の独身者パーティ 小池滋訳
ひいらぎ旅館のブーツ 荒井良雄・逢見明久訳
哀れな旅人 広河治訳
マグビー駅のボーイ 青木健訳
ドクター・マリゴールド 佐藤眞二訳

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<終わりに、ブーツは次の二つの考えに同感するかと、私に尋ねました> まず最初に、いかに結婚を誓い合う仲でも、あの子供たちほど純粋な恋愛をしている恋人は、そう滅多にいないでしょうね。それに、これから結婚しようと考えている大勢の恋人たちにとっては、早いうちに引きとめられ、引き離され、連れ戻されるほうが、幸せなのでしょうね。(ディケンズ、ひいらぎ旅館のブーツ、同書、p85)

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ディケンズ文学の「声を感じさせる語り」
活きの良いたたき売りの語りのリズムが、作品全体に作り出される。また、大道商人が客に語りかける構造が、朗読者が聴衆に向かい合う関係と重なる点においても、公開朗読に最適の作品といえる。マリゴールドは、その語りによって、鍋や皿など平凡極まりない品々を、魅力的なものへと変容させるが、それは、ディケンズが、自らの語りの力によって、ヴィクトリア朝のロンドンに存在した人やものを、作品中で、人々に喜びを与えるものとして表現したことと同質の行為である。(佐藤眞二 ドクター・マリゴールド、解説、同書、p185-186) 

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