ゴーリキー ストラースチ・モルダースチ

2017年11月23日 木曜日 曇りときどき小雨

ゴーリキー ストラースチ・モルダースチ (詳細不明・コピーを読ませてもらった。p116-126の短篇)

 声をあげて泣くまいとしてギリギリ歯ぎしりをしながら、私は足ばやに中庭を出た。(同書、p126)

 とうていはねつけられないほど人間らしくーーそれほどやさしく、それほど好い感情をもってーー彼女は言った。そして彼女の眼はーー醜い顔にある子供らしい眼は、乞食女の微笑ではなく、謝礼するものをもつ止める人の微笑でほほえんでいた。・・・(中略)・・・
 私は中庭に出て、ためらいながら立ちどまった。ーー地下室の開いた窓から鼻にかかった陽気な歌声が中庭へ流れた。母親は変な言葉をハッキリ発音しながら息子を寝かしつけていた。

 やってくるよストラースチ・モルダースチが・・・(以下、略)・・・(同書、p125-126)

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 彼はうっとりするようにほほえんだ。その魅するような微笑を見ていると、彼への堪えがたい焼けつくような憐れさから、町じゅうに向かってわめきたて、泣きさけびたくなるのであった。美しいその頭は細い頸の上で、まるで異様ななにかの花のように揺れていた。が眼は、うちかちがたい力で私を惹きつけながら、ますます生き生きと燃えるのだった。
 子供らしい、けれども恐ろしい彼の饒舌を聞きながら、私はちょっとの間、どこにすわっているのか忘れていた。と急にまた、獄窓のような小さな、外側から泥をはねかけられた窓や、真っ黒な炉の口や、片隅の麻屑の堆積(やま)や、また扉口のぼろの上に寝たバターのように黄いろい女、母親の体、を見るのだった。(同書、p119)

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