philosophy

弱さに抗して誠実に生きる

中島義道 ニーチェ:ニヒリズムを生きる 河出ブックス 2013年

2015年4月3日 金曜日 雨

以下、中島・同書より引用:

ニーチェの「よく生きる」とはニヒリズムに徹することであり、能動的ニヒリズムのうちに生きることである。 その場合、「よく」の意味を変換しなければならない。それがニーチェが考え尽くしたことなのだ。「よく」は、ニーチェにとって、「より強く生きる」ということに尽きる。「より強く」とは「どこまでもより強くありたい自己の欲望に誠実に」、すなわち「あらゆる種類の弱さに抗して」という意味である。そして、「弱さ」の筆頭に来るのは、ーーー先にカント倫理学において見たようにーーー誠実さを犠牲にして自他の幸福を第一にしてしまうという弱さ、まさに「自己愛」および「同情」に屈してしまうという弱さである。(中島、同書、p78)

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