どこか非常に遠くの方の凍ったように寂かな蒼黒い空

2018年6月21日 木曜日 夏至 曇り
宮沢賢治 学者アラムハラドの見た着物 (キンドル版・宮沢賢治274作品 15453/40173)

・・けれども学者のアラムハラドは小さなセララバアドという子がすきでした。この子が何か答えるときは学者のアラムハラドはどこか非常に遠くの方の凍ったように寂かな蒼黒い空を感ずるのでした。
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「人はほんとうのいいことが何だかを考えないでいられないと思います。」
 アラムハラドはちょっと眼をつぶりました。眼をつぶったくらやみの中ではそこら中ぼうっと燐の火のように青く見え、ずうっと遠くが大へん青くて明るくてそこに黄金の葉をもった立派な樹がぞろっとならんでさんさんさんと梢を鳴らしているように思ったのです。・・・(中略)・・・人は善を愛し道を求めないでいられない。それが人の性質だ。これをおまえたちは堅くおぼえてあとでも決して忘れてはいけない。(15571/40173)
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