いかに手間を迷惑とさせない関係をお互いに築くか

2018年2月3日 土曜日 曇り

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小谷みどり ひとり終活 不安が消える万全の備え 小学館新書266 2016年

死は自分だけの問題ではない:
 自分らしい最期をどう迎えるかという視点は、どう生きるかという問題を考えるうえでとても重要なのですが、同時に、遺される人たちに自分の死をどう受容してもらうかという観点からも、死の迎え方を考える必要があります。・・・(中略)・・・
 死にゆく側と遺される側はどちらも死の当事者なのですから、遺される人たちとこのテーマに関してよく話し合うことが大切です。(小谷、同書、p177)

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・・「家族に迷惑をかけたくない」と考える高齢者は少なくありませんが、絆は迷惑のかけ合いから結ばれるものではないでしょうか。
・・・(中略)・・・
・・本人の努力なしには、縁を絆で結ばれた強固なものにすることはできません。「迷惑をかけたくない」と考えるのではなく、いかに手間を迷惑とさせない関係をお互いに築くかが問われているのです。
・・・(中略)・・・
・・「困ったときはお互いさま」。こうした絆が少しずつ結ばれていく社会でなければ、みんなが安心して老い、死んでいくことはできません。(小谷、同書、p178-179、p180)

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 昨今、死に方や葬送の選択肢が増え、さまざまな情報が飛び交う反面、「どんな葬送がいいのか」「誰がやってくれるのか」という不安が増大してきたのは、持ちつ持たれつの互助関係が消滅し、社会の無縁化が進んできた結果、私たちは葬儀や墓など、サービスや財を購入する消費者の立場に置かれるようになったからにほかなりません。(小谷、同書、おわりに、p188)

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<ひとり死>時代のお葬式とお墓

小谷みどり <ひとり死>時代のお葬式とお墓 岩波新書 1672 2017年

自主的な「縁づくり」活動を通じて醸成される関係性:
 つながりや関係性は自然には生まれないし、デメリットも教授するおたがいさまネットワークだ。・・・(中略)・・・ 死ぬ瞬間や死後の無縁が問題なのではなく、生きているあいだの無縁を防止しなければ、みんなが安心して死んでいける社会は実現しない。(小谷、同書、p202)

人と人とのつながりのなかで:
・・しかし昨今の現象は、死者とのつながりがないからこそのお葬式やお墓の無形化であって、これは、社会における人と人とのつながりが希薄化していることのあらわれでもある。そう考えると、お葬式やお墓の無形化は、信頼しあい、おたがいさまの共助の意識を持てる人間関係が築けない限り、ますます進んでいくだろう。(小谷、同書、p206)

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精神的にも社会的にも孤立していれば、突然亡くなった場合に遺体の発見が遅れる、弔う人がいない、遺体の引き取り手がいないという状況に陥っても不思議ではない。お金がない、頼れる家族がいない、社会とつながりがないという「三重苦」を抱える人たちの増加で、これからますます、「悲しむ人がいない死」が増えていく。(小谷、同書、p167)

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新しい関係性をどう築くか:
 もはや血縁・親族ネットワークだけでは、老い・病・死を永続的に支え続けることは不可能なところまで、社会は変容している。・・・(中略)・・・地域の人たちとのお互いさまネットワークを作るため、さまざまな取り組みをはじめる地域も出てきている。(小谷、同書、p171)

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鐸木能光 医者には書けない幸せな死に方

2018年1月22日 月曜日 雪

たくきよしみつ(鐸木能光) 医者には絶対書けない幸せな死に方 (講談社+α新書) 2018年

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「家で死にたい」親と「家で死なせたくない」家族
 介護に疲れ果てて親や配偶者を殺したり心中したりする事件はたくさん起きていますし、これからも増えていくでしょう。そうした現実も踏まえて、介護施設や介護サービスを正しく選択し、うまく利用する技術も必要になってきます。(鐸木、同書、p149)

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私は、下の世話であれ入浴の手伝いであれ、「介護」と名のつく行為が必要になった場合、親子が無理に同居するのは極力避けたほうがいいと思っています。(鐸木、同書、p150)

・・となると、寝たきりではないが共同生活も困難であるという、いちばんやっかいなレベルの老人の面倒は家族がみなければならないという状況が生まれ、その結果、介護する側の家族のほうがストレスに耐えきれず、先に倒れてしまうのです。
 親の介護ができないような子は親不孝だという考え方は、子の側だけでなく、親の側も不幸にします。(鐸木、同書、p151)

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入所可能な施設が見つかったら、契約前にこう訊いてみましょう。
「ここで死んでもいいですか?」「ここで死なせてくれますか?」と。
その問いにどれだけしっかりした答え方をしてくれるかで、その施設のポリシーや姿勢が見えてくるはずです。(鐸木、同書、p186)

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・・「愛」などという言葉を使うと都合よく取り繕っているように思われそうですが、歳を取ってからの愛は、自分の弱さ、欠点、死を逃れられない運命・・そういうものの裏返しではないかと感じます。(鐸木、同書あとがき、p221)

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補註 認知症や介護施設のところは「情報」や「具体的な技術」が詳しく上手にまとめられていて大変参考になった。鐸木さんの「のぼみ〜日記」http://nikko.us/17/294.html もいつも読ませていただいている。

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変わる<家族の形>と先祖供養

2017年11月5日 日曜日 曇りのち晴れ

葬送のかたち 死者供養のあり方と先祖を考える シリーズ 宗教で解く「現代」vol.3 佼成出版社 平成19年

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「自宅告別式」が増加した昭和初期を境に、本当に夜を徹して行われる「丸通夜」も行われなくなり、通夜法要のみに多くの人が参加するようになる。葬儀の中心が通夜や葬列から告別式へと移ったことは、葬儀全体の意味づけが、共同体からの送り出し儀礼から弔問儀礼へと変化したことを意味している。それにより葬儀はもっぱら喪家の行事として意識されて、近隣親戚の関与は少なくなった。(村上興匡 葬儀の変遷と先祖供養、同書、p39)

補註:著者の名前の漢字: ネット情報によると「匡 まさ/ただす/キョウ 正しく直すの意味
人名にも使われます「○匡(まさ)」など。」とのこと。

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2017年11月6日 月曜日 晴れ

これからの核家族の新しい仏壇は、納める位牌として、夫妻それぞれの実家の「先祖代々一切の精霊」の位牌を並べて立てることである。従来は、まさに「嫁入り」として、夫の家の位牌ばかり立ててきたが、核家族が一般化した今日、そのようなありかたを改めるべきで、宗教者もそう勧めることである。(加地伸行、変わる<家族の形>と先祖供養と、同書、p198)

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鐸木能光 阿武隈梁山泊外伝

2017年11月3日 金曜日 晴れのち曇り、夜は雨

鐸木能光 阿武隈梁山泊外伝 Tanupack. Kindle 版 2016年

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「フクシマ」 は 社会 システム の 欠陥、 人 の 心 に 巣くう 不 正義 と 弱 さが 引き起こし た 問題 なの だ が、 問題 の 本質 は 時間 と共に どんどん はぐらかさ れ、 隠さ れ て いる。  

極めて 単純 に 言え ば「 税金 の 使い方 が 間違っ て いる」 という 問題 なの だ。

たくき よしみつ. 阿武隈梁山泊外伝: 全村避難の村に起きたこと (Tanupack) (Kindle の位置No.2700-2703). Tanupack. Kindle 版.

火力発電 の 比率 が 増える と 燃料 代 が かさん で 電気 料金 を 上げ なけれ ば なら ない、 と 電力 会社 は 言う が、 これ は 単に、 火力発電 の 燃料 代 には 国 が 税金 を 投入 し て 援助 し て くれ ない、 という こと に すぎ ない。 原発 と「 自然 エネルギー」( 太陽光 や 風力発電) には 莫大 な 税金 が 投入 さ れ て いる。 それ は 発電 コスト に 含ま れ て い ない。 この こと を 無視 し て エネルギー 問題 議論 を し て いる「 識者」 が 多 すぎる。

たくき よしみつ. 阿武隈梁山泊外伝: 全村避難の村に起きたこと (Tanupack) (Kindle の位置No.864-867). Tanupack. Kindle 版.

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