culture & history

外来為政者と土着勢力者の間の意思疎通:言葉にさして変化はなかった

2016年3月10日 木曜日 晴れ

小林惠子 本当は怖ろしい万葉集 歌が告発する血塗られた古代史 祥伝社 2003年

外来為政者と土着勢力者の間の意思疎通:古来からの列島のそれぞれの地方の言葉にさして変化はなかった

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言葉の違う為政者と列島土着の人々がどのように意志の疎通をしたか?
 中国を除く北東アジアは、「主語・目的語・動詞」という文法上の言葉の組み合わせが同じであり、半島と列島では今に至るまでかなり共通した単語が存在することは周知の事実である。また中国は、元や清など意言語の周辺民族に支配されたことは一度ならずあるが、国全体が異民族の言語に変わったことはない。逆に為政者の異民族の方が漢語に埋没してしまった。 日本の場合も同じで、周辺外国から渡来した少数の為政者に支配されたにしても、古来からの列島のそれぞれの地方の言葉にさして変化はなかったようである。また倭国の場合、外来為政者と土着勢力者の間では、漢語という共通の中国文化圏の言語と文字で意志の疎通はできた。・・ そして文字は中国渡来の漢字であることは朝鮮も日本も同じである。・・ 「万葉集」の歌ができた頃は、列島・半島、共に漢字で自国語を表現する方法に決まりはなく、表現文法は多様に倭国語、朝鮮語が入り交じっても不思議はない。その時代に額田王は登場したのである。

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