学ぶこと問うこと

卒業研究の指導

 

卒業研究の指導の気の持ちよう
2010年11月24日

早速のお返事、ありがとうございます。それでは、学生がにぎやかすぎて苦しい(やかましい!と叫びたくなるような)ことも多いかもしれませんが、最初の一年は内部指導の人数を多く、でお願いします。名簿でご覧のように、女性が元気よく、男性は少なく、また総体的におとなしい頼りなげな男性が多いような印象です。次第にたくましく(あるいは、よりやさしく繊細な方向に)成長してくれると期待して育てましょう。ご覚悟のほど、よろしくお願いいたします。

ヘルペスウイルスのプロジェクトそれぞれ数名に加えて、さらに、イミュノトキシンiToxのスクリーニングの系の指導も複数名よろしくお願いいたします。iToxの系自体は現在すでに非常にうまく進んでおり、ほぼ完成形です。このままコンスタントに頑張れば良いものに巡り会うに違いないと確信しています。それを証明できるような結果が重なってきており、有望です。企業とも協力して臨床医薬へと進められる即戦力になると思います。ただし、企業は非常に渋い。多くは期待できません。

実験系の具体について詳しくは、来年3月に、札幌で詳しく説明・相談しましょう。できるだけゆとりをもって来ていただき、Yさんとゆっくり実技を一緒にやってもらえると良いと思います。Hさんも楽しみにしてくれていると思います。

イミュノトキシンiToxのスクリーニングの系は、非常にシンプルな実験系で、私の好みです。最近、肺癌皮下腫瘍に対し、抗体iToxの全身投与(ip)治療の系で、vivoでの著明な効果も示すことに成功し、私がかねてより期待していたとおり優れたものであることが明らかになってきました。

上記の系とは別に、前人未踏の新しい標的スクリーニングの方法の開発もいろいろアイデア(まだ具体的には2つだけ)を温めていますが、これらは、来年、ゆっくりと相談した上で、基礎実験なども重ねないと軌道に乗るものにはならないでしょう。それにしても、机上の空論かもしれないけれど、トライしてみたいものがあるというのは、楽しみなものですね。また、ゆっくり相談しましょう。

なお、学生も4年生ぐらいでは、まだ非常に幼い感じで、1を聞いて2も3もを悟るというわけにはなかなかいかないと思います。1を10相当分ぐらい易しく詳しく説明して、あわよくば良く聴いてもらって、しかも0.25ぐらいを悟ってもらえれば良い、ぐらいの大らかな気持ちで接したいところです。そんなわけで、最初の一年は、きわめて理解しやすく非常にシンプルな仕事から入って、少しずつ好きになって、少しずつ自分でもわかってきた・それが嬉しい、というような指導(というかこちらの気持ちの持ちよう)でお願いします。修士に進みたい、自分に適性があれば博士に進んで研究者になることを夢見ている、という女子学生も複数名いますので、あせらずにゆっくり進められれば将来につながる希望は大きいと考えています。

 

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卒業研究の指導の気の持ちよう  2010年11月24日付けWEBページより再掲

 

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