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他律的な「道徳の型」の学習

2017年9月9日 土曜日 曇り時々雨・午後から快晴

加地伸行 <教養>は死んだか 日本人の古典・道徳・宗教 PHP新書181 2001年

 根本的な意味において、東北アジアにおける道徳は、他律的教育によって培われるものであり、型を学習させることによって可能となる。個人個人の良心に依るなどという異質な発想で各人にまかせたりしていては、何年たっても道徳は根づかないであろう。
 四書の「大学」や「中庸」は「その独りを慎む」を言う。この「慎独」は良心に依る道徳という立てかたに近いが、その可能性をめぐっての論議は尽きず、自律的な慎独がどれほど困難なことであるか、儒教ではすでに実験済みである。やはり他律的な型の学習をすることに及ばない。(加地、同書、p191)

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