裏山の土から始まる旅 藤井一至 100億人を養う土壌を求めて(1)

2019年1月4日 金曜日 曇り


藤井一至(ふじいかずみち)土 地球最後のナゾ 100億人を養う土壌を求めて 光文社新書 2018年


裏山の土から始まる旅

1)未熟土: 岩の上にはわずか5センチメートルほどの土壌があるだけだ。これを未熟土という。(藤井、同書、p56) 造成土も未熟土の一種だ。(同書、p91)

2)若手土壌: (裏山の)斜面の中腹部には立派な土壌があった。岩石に到達するまで深さ1メートルの土がある。落ち葉や根を含む腐植層の下には、ただただ褐色の粘土質な土壌が続く。未熟土が成長したものだ。これが、二つめの若手土壌である。何の変哲もないこの茶色い土を、日本では褐色森林土と呼ぶ。(藤井、同書、p58) 

3)永久凍土: 氷河期といえど、雨や雪が少ない地域では氷河は発達しにくい。氷河の覆いのない土は氷河期の冷気にさらされ、凍結した。それが永久凍土層となったのだ。(同、p72)

4)泥炭土: 湖の周りの水浸しの環境では、土の中まで酸素が届きにくくなり、微生物の多くが窒息してしまう。微生物の分解活動がストップすると、コケ植物の遺体が次から次に堆積するようになる。これが泥炭土だ。(同、p77) 泥炭の堆積速度は1年に1ミリメートルという。(同、p78) 湿地帯であれば気候を問わない。・・植物遺体が分解されずに堆積した泥炭土は養分の供給の少ない不良土壌だ。(同、p78、79)

5)ポドゾル、ロシア語の「灰のような土」: 針葉樹林の根や微生物の放出する有機酸によって粘土のアルミニウムや鉄成分が溶け出し、(灰のように白い)砂だけが残る。その下の土で有機酸が分解されるとアルミニウムや鉄が再び析出し、赤褐色の粘土として沈着する。・・残された砂は酸性の土壌であり、農業には適さない。(同、p87〜88) 

ポドゾルの発達する反応は速く、速い場合には数百年で真っ白い砂の層ができる。土の劣化ということもできるが、マツとキノコの共生が生み出した芸術でもある。これに対して、ネバネバした(補註=日本などの粘土の多い)裏山の土では、肝心の有機酸が粘土に捕獲されてしまう。これが、氷河の運んだ砂の多い場所にポドゾルが集中した理由であり、火山灰や粘土の多い日本の土でポドゾルが少なかった理由である。(同、p93) 

ジャガイモ栽培か林業かの二者択一を迫る貧栄養な土壌、それがポドゾルだ。(同、p94)

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