ドストエフスキー 白痴 2019-3 顔はほがらかに見えますが、実際はものすごく苦しんでこられたんじゃありませんか?

2019年1月14日 月曜日(成人の日で祝日) 曇り


「驚くべき顔です!」公爵は答えた。「それに、この人の運命は、並大抵のものではないように思います。顔はほがらかに見えますが、じっさいはものすごく苦しんでこられたんじゃありませんか、え? 目がそれをあらわしていますよ。それにこのふたつの骨、目の下の頬の部分にあるこのふたつの点。これは、誇り高い顔です、ものすごく誇り高い。でも、どうなんでしょう、彼女って気立てがいいんでしょうか? ああ、気立てがよかったら! すべてが救われるのに!」(同、第一部、第3章、亀山訳 光文社古典新訳文庫 p89)


 ・・「とびきりの美人さんだ!」公爵は熱くなってすぐにそう言い足した。  

 写真にはじっさい、異常なまでに美しい女性が写し出されていた。その女性は、驚くほどシンプルかつエレガントな仕立ての、黒いシルクのワンピースを身につけてていた。見た感じでは、髪は濃いブロンドらしく、飾り気のないごくありきたりなスタイルに束ねてあった。目の色は黒っぽく深みを帯び、額はもの思わしげだった。顔の表情は情熱的で、どこか傲慢な感じもした。面立ちはいくぶん頬がこけ、顔の色は青白いように見えた。(亀山訳、p75)


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