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タバココナジラミ おもしろ生態とかしこい防ぎ方

2017年11月8日 水曜日 曇り

行徳裕 タバココナジラミ おもしろ生態とかしこい防ぎ方 農文協 2009年

初期防除の決め手、粒剤処理

特効薬を温存しない
 ・・とくに、特効薬が少ないバイオタイプQでは、重要な時期に最高の農薬を使うことが基本です。・・・(中略)・・・「被害が大きい時期=防除が重要な時期」なので、タバコナの防除では効果が高い農薬から使うことになります。その中で、定植直後の防除がもっとも重要です。(行徳、同書、p99)

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最後に敵を封じ込める「出さない」防除

タバコナは天下の回りもの
「タバコナはハウスの中で冬を越し、春先から秋まで野外とハウスを行き来し、ふたたびハウスに戻って一年を終える」

今あなたのハウスで増えているタバコナは以前、やはりあなたのハウスに住んでいたタバコナの子孫といえます。

「出さない」防除: 産地の生産者同士で技術や情報を交換しながら連携して、初めて成功する高度な対策です。(行徳、同書、p109) くれぐれも地域での防除体制を考える視点を忘れないようにして下さい。(行徳、同書、p111)

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マメハモグリバエ おもしろ生態とかしこい防ぎ方

2017年11月7日 火曜日 晴れ

西東力 マメハモグリバエ おもしろ生態とかしこい防ぎ方 農文協 1997年

黄色トラップは、モニタリング、つまり発生状況を調べるためのものである。発生量を把握したり、防除のタイミングをはかったり、防除効果を判定する際に使う。(西東、同書、p59)

通常は天敵によって抑え込まれ、あまり問題とならない害虫が、殺虫剤を使用することによって顕在化してくる。これがリサージェンスの怖さであり、各地でみられるマメハモグリバエによる壊滅的な被害の原因とみられる。(西東、同書、p72)

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ナメクジ おもしろ生態とかしこい防ぎ方

2017年11月7日 火曜日 晴れ

宇高寛子・田中寛 ナメクジ おもしろ生態とかしこい防ぎ方 農文協 2010年

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補註 この本で初めてナメクジの生態やかしこい防ぎ方を学ぶことができた。地道な基礎データを出された宇高さん、科学的にしっかりと、かつ楽しい語りでお教えくださった田中さん、お二人の著者に感謝したい。改訂第二版も出されるということなので、期待している。(改訂版もきっと購入したい)。

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 ・・最初の設問「ビールは効くか?効かないか?」そのものが不適切であることに気づかれると思う。そおとおり。設問は「効くか?効かないか?」ではなく、「実用的か?非実用的か?」にすべきなのである。
 そして私は今、この問いに対して自信をもって、「非実用的です」と答えられる。(田中寛、同書、p88)

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つねに大事なナメトラ調査

ナメトラあたり誘殺数3以上で防除
 ナメトラは・・紙やサランラップの上にナメキールを1g置くだけでよい。
 ・・ナメトラは畑や庭の中で被害が多いと感じられる2〜5カ所に設置する。1カ所だとあたりはずれが大きすぎる。5カ所を超えると調査が面倒くさくていやになり、長続きしない。
 そこに生息するナメクジの個体数が同じであっても、ナメトラ誘殺数は季節や天候や畑・庭の中の場所によって大きく変化する。誘殺数は「ナメクジの密度」ではなく、「ナメクジの活動の程度」であり、防除するかどうかの目安「ナメトラあたり誘殺数>3」は私の経験に基づいたものだ。 
 (田中、同書、p108-109)

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補註 ナメトラ(保土谷化学工業社) 商品名だが市販に至らなかったもの。ナメクジ・トラップ、略してナメトラと、わかりやすい。「紙やサランラップの上にナメキール(誘殺剤)を1g置くだけ」でナメトラを手作りすることができる。(田中、同書、p82)

補註 ナメキール メタアルデヒド(Metaldehyde)とは、アセトアルデヒドがアセタール化した4量体で分子式 (C2H4O)4 の無色針状晶であるが、放置すると徐々にアセトアルデヒドの3量体のパラアルデヒドに転換するので通常は両者の混合物になっている。
市販品(2017年現在):ナメクリーン3 ナメナイト、その他。

スラゴなどのリン酸第二鉄剤は遅効的で、ナメクジが薬剤の近くでは倒れず、後になってほかの場所で死亡するようなので、ナメトラには不向きだろう。(田中、同書、p108)

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石油はどこから来たのか

2017年10月13日 金曜日 晴れ

大河内直彦 「地球のからくり」に挑む 新潮新書 2012年

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赤潮「シアノバクテリア」の謎
 海を汚す人類もおらず、栄養に乏しい大海原で、どうして大規模な赤潮が起きるのだろう?
 その答えは「シアノバクテリア」という生き物の中に隠されている。シアノバクテリアは、「窒素固定」と呼ばれる特殊な能力を持っている。大気や海水中に溶けている窒素ガスを体内に取り込んで、アンモニアやアミノ酸などに換えることができるのだ。つまり、ハーバー・ボッシュ法とまったく同じことを、わずか一つの細胞しかもたないこの小さな生き物が、いとも簡単にやり遂げてしまうのである。
 特大の規模をもつ赤潮によって海は広範囲にわたって酸欠状態になり、海底には大量のヘドロが溜まった。そして一部のヘドロが、現在までの一億年の間に地熱で熟成され、石油へと変質したのである。
・・・(中略)・・・
 では、なぜ地球史の特定の時期に、シアノバクテリアが大繁殖したのだろうか? (大河内、同書、p143-144)

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・・一億年前に起きた巨大な火山活動は、地球が形成されてから長らく地球深部に秘められていた大量の炭素を、二酸化炭素として大気や海洋中に一気に吐きだしたのである。
 マントル・プルームのおかげで、一億年前の大気中の二酸化炭素濃度は2000ppm(0.2%)にも達していた。現在の大気中の二酸化炭素濃度が400ppmほどだから、その五倍にもなる。・・・(中略)・・・ところがシアノバクテリアにとっては、このことが福音だった。期せずして競争相手が居なくなり、海は彼らの独擅場となった。
・・・(中略)・・・
 現代文明を支えてきた石油は、シアノバクテリアという目にも見えない小さな生き物たちを起源としている。現代人は、太古の昔にシアノバクテリアが数百万年にわたって大繁殖し、せっせと貯め続けた太陽エネルギーの恩恵にあずかって暮らしている。そして、その小さな生き物を形作る炭素は、地球という星の内部に長らく閉じ込められていた宇宙のかけらだった。ゴールドの主張(補註:西側諸国でほぼ唯一の石油無機成因論者と言われたトーマス・ゴールド)には、一抹の真理が隠されていたのである。(同書、p147-148)

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大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち

2017年9月29日 金曜日 曇り一時雨

藤井一至(ふじいかずみち) 大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち ヤマケイ新書 2015年

「実際に2億年前のジュラ紀に多かったのは、ブラキオサウルスなど、低酸素環境に適応した、より大型の恐竜たちである(火山活動などにより、大気中の酸素濃度は上下し、3億年前には35%だっと酸素濃度は10パーセントまで低下していた)。(藤井、同書、p57)」

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「森は海を育てる」という言葉は有名だが、一説では、溶存有機物に結合した鉄(フルボ酸鉄)が山から運ばれ、海の生きものたちを育むと考えられている。「森は海の恋人」であるなら、溶存有機物は森からのラブレターといえるかもしれない。(藤井、同書、p123)

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