カテゴリー別アーカイブ: biology

土着天敵の分散能力

2017年1月24日 火曜日 雪(朝は晴れていたのに、曇りのち雪、北国の冬はこのパターンが多い)

根本久・和田哲夫・編著 天敵利用の基礎と実際 減農薬のための上手な使い方 農文協 2016年

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土着天敵の分散能力
1)近距離性
コモリグモ科などの地上徘徊性クモ類
ハネカクシ類
捕食性ゴミムシ類
2)中距離性
クサカゲロウ類
寄生蜂類
捕食性カメムシ類
3)遠距離性
バルーニングするクモ類
ヒラタアブ類
テントウムシ類
(同書、p45)

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植物の体の中では何が起こっているのか

2017年1月1日 日曜日 (曇りのち)晴れ

嶋田幸久・萱原正嗣 植物の体の中では何が起こっているのか 動かない植物が生きていくためのしくみ ベレ出版 2015年

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葉は強すぎる光が苦手ーーー光阻害と葉緑体の定位運動
・・じっと動かないように見える植物ですが、葉の向きを変え、葉緑体の位置を変え、活発に動いているのです。(同書、p70)
 さらにさらに、葉緑体の中ではもっと素早い動きが起きています。・・突然の雲によって光が弱くなると、「アンテナ複合体LHC」の一部が「光化学系I」から「光化学系II」へ移動します。・・光合成の反応では
「光化学系II」が先に働き、そこに「アンテナ複合体LHC」を多く集めたほうが、光エネルギーを効率的に得られるようになるからです。
 「ステート遷移」と呼ばれるこの仕組みのおかげで、太陽が降り注いでいるときも、突然、入道雲が出てきて日が陰ったときも、最適な速度で光合成を行う事ができるのです。(同書、p70-71)

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葉っぱはなぜ緑色か?
葉が光合成に使うのは、主に太陽光に含まれる「赤色光」と「青色光」です。「緑色光」の一部は光合成に使われますが、残りは光合成に使われず、葉をすり抜け、あるいは反射して周囲に散乱します。人間が葉を緑だと感じるのは、その使われない「緑色光」を見ているからなのです。別の言い方をすると、葉が緑に見えるのは、葉が緑以外の色の光を吸収し、光合成をしている証でもあるのです。(同書、p76)

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植物には、生まれながらの「向き」がある
 成長促進物質のオーキシンは茎の先端でつくられ、下へ下へと送られます。この方向は、重力の影響を受けません。・・細胞によるオーキシンの一方向への能動的な輸送を、オーキシンの「極性輸送」と呼びます。(同書、p130-131)

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ヒトと似ている植物の平衡感覚
 根の先端、「根冠」が重力を感じることができるのは、「根冠」の中央部に位置する「平衡細胞(コルメラ細胞)」にそのための仕組みがあるからです。その細胞の中に、相対的に重い物質があり、「平衡石」として働いています。(同書、p136) 植物の根における「平衡石」の正体は、「アミロプラスト」という細胞内小器官です。このアミロプラストは葉緑体(クロロプラスト)が根にあるときの形態で、デンプンの粒をたくさん蓄えています。それが、「平衡細胞」の中で重力の影響を受けて居場所を変え、細胞を刺激することが、根における重力感知の仕組みと考えられています。・・根が曲がるのも、幼葉鞘が曲がるのと同様、オーキシンの分布に偏りが出るのが原因です。(同書、p137)

・・ここで注意が必要なのは、オーキシンは濃度によってその作用が変化することです。一般に、濃度がそれほど高くない状況では、オーキシンは成長促進物質として働きますが、高濃度になると成長を抑制することが知られ、さらに根と茎では、成長の促進と抑制を示す濃度に違いがあります。茎(幼葉鞘)の「光屈性」では、光の反対側でオーキシン濃度が高まって成長が促進され、光の方向に屈曲が起きるのに対し、根の「重力屈性」では、根の下側でオーキシン濃度が高まり成長が抑制され、根は重力の方向に屈曲します。(同書、p140)

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・・これらの「屈性」や「傾性」に見られる植物の動きは、主に「偏差成長」という現象によって引き起こされます。・・こうした「偏差成長」によって起こる植物の動きを「成長運動」と呼びます。(同書、p146-147)

お辞儀や就眠を引き起こすメカニズムーーー浸透圧と膨圧運動
 それに対して、ネムノキ(マメ科)の「就眠運動」やオジギソウ(ネムノキの仲間)の「接触傾性」は、「成長運動」とは異なる「膨圧運動」という仕組みで引き起こされています。(同書、p147)

気孔の開閉
「孔辺細胞」の「膨圧」の変化を引き起こすのは、ここでも細胞内のカリウムイオンの増減です。(同書、p153)

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古第三紀・新第三紀・第四紀の生物

2017年1月1日 日曜日 曇り

土屋健 古第三紀・新第三紀・第四紀の生物 上巻・下巻 技術評論社 2016年

“王”の登場
 4000万年前ごろには、完全に水中適応し、現生のナガスクジラ並の全長を持つクジラ類が現れた。バシロサウルス(Basilosaurus)である。「Basilo」はギリシャ語で「王」を意味する。全長20メートル。クジラ類が進化の道を躍進していた古第三紀始新世どころか、新第三紀まで見ても最大の哺乳類である。・・・(中略)・・・
・・爬虫類であれば、歯は基本的にすべて同じ形をしている。哺乳類であれば、犬歯や臼歯など場所によって形の違いがある。すなわち歯の化石は、爬虫類か哺乳類かを決める有力な手がかりなのだ。・・・(中略)・・・
 しかし、学名には「先取権の原則」が存在し、たとえそれがどんなに誤解を招こうとも、基本的には先につけた名前が優先される。・・バシロサウルスは哺乳類でありながら「サウルス(=トカゲ)」と呼ばれ続けて現在に至る。(土屋、同書、上巻、p162-163)

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新第三紀
インドはアジアに衝突し、ヒマラヤ山脈をつくりあげた。この衝突の影響で、東南アジアの陸地が太平洋に向かって押し出され、やがて今日のインドシナ半島や中国南部が形成されていくことになる。日本列島がアジアの大陸東端から離れ始めたのも、この時代である。(土屋、同書、下巻、p8)

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To build the soil’s web of life(土壌生物のウェブを造るために)

2016年12月20日 火曜日 曇り

Rombough, Lon,  The Grape Grower, A Guide to Organic Viticulture,  Chelsea Green Publishing, White River Junction, Vermont, 2002

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A layer of properly made compost would solve most of the problems created by other mulches. Compost is dark enough that it would warm up as well as bare soil, would add organic matter and support the soil microlife well, and wouldn’t attract rodents or other burrowing animals. (Rombough, ditto, p64)

To build the soil’s web of life, it is likely that a mix of plants is needed; the different species become tied together by the microlife in the soil, and the effects are shared among all the plants, including the grapes. (Rombough, ditto, p64)

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補註 compost アクセントは前(com)に。堆肥、積み肥

補註 burrow  n キツネ・ウサギなどの(巣)穴; vi <地面などに>穴を掘る。

補註 To build the soil’s web of life 土壌の生き物たちが織り成す複雑な関わり合いの網(土壌生物のウェブ)

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補註 ブドウ栽培テキスト:Rombough本
来春のブドウ苗、予定していた500本が届かないことがほぼ確実となってきた今日この頃である。来年のプランを修正し、ゆったりとした気持ちで「土」を育てていきたいと思っている。このRombough本は、簡潔にまとめられているブドウ栽培テキストである。有機ブドウ栽培に関してもかなりのページが割かれている。

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ペルム紀末の大絶滅

2016年11月11日 金曜日 晴れ

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技術評論社の「古生物ミステリーシリーズ」第5巻から第8巻

5 土屋健・著 群馬県自然史博物館・監修 三畳紀の生物 技術評論社 2015年

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ペルム紀末の大絶滅
この事件で、海棲動物種の約96%、陸上動物種の約69%が姿を消したといわれる。
・三葉虫はこの絶滅事件をもって完全に姿を消した。
・ウミユリ類(棘皮動物の1グループ)も、ごくわずかな種を残して姿を消した。
・腕足動物も激減した。中生代以降の海では完全に脇役となった。
・アンモナイト類もその数を大きく減じた。
ほかにも、さまざまなグループがこの絶滅事件で大打撃を被った。
・海棲脊椎動物 
   古生代の海の歴史でいち早く「顎」をもって繁栄した棘魚類(鰭の縁にトゲをもつ魚たち)が姿を消した。
・陸上種
   当時繁栄しつつあった昆虫類の約65%が二度と姿を見せなくなった。
   単弓類が大打撃を受けた。

(土屋、三畳紀の生物、p8-10より抄)

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