カテゴリー別アーカイブ: agriculture

アザミウマの産雄性単為生殖と薬剤抵抗性

2017年9月17日 日曜日 曇り(台風18号が接近中とのこと)

多々良明夫 チャノキイロアザミウマ おもしろ生態とかしこい防ぎ方 農文協 2004年

**

二つのステージをもつアザミウマの蛹

蛹(サナギ)=二つのステージをもつ
 アザミウマ類は不完全変態の範疇に入るが、何も食べない蛹になるステージがあり、まったくの不完全ともいてない。「完全変態」との間に位置している。
 また、この蛹の時代、アザミウマ類は動く足があって、少しなら移動することもできる。チョウやコガネムシの蛹にはないアザミウマ類の特徴だ。
 ・・・(中略)・・・
 何も食べないのに、二つも三つも蛹のステージをもつことにいったいどんな意味があるのかと思うが、いずれにせよ、最初の蛹のステージを一齢蛹、次を二齢蛹と分けて呼んでいる。(多々良、同書、p45)

**

産雄性単為生殖
メスしかいなくても子孫は残せる。ただし生まれるのは皆、オスである。つまり受精するとメス(一部はオス)、しないとオスになる。これを「産雄性単為生殖」といい、アザミウマ類だけでなくハダニなどでも広く見られる。(多々良、同書、p49)・・農薬散布下においては、両性生殖よりかなり速いスピードで抵抗性が発達することになるのだ。(同、p51)

**

チャノキイロアザミウマの防除で合ピレを用いる場合は、ハダニにも効果のある剤を選ぶ必要がある。 しかし、チャノキイロアザミウマやハダニは抑えられたとしても、代わりに、ただの虫や天敵は大量に死んで、長期間その回復が抑えられてしまう。合ピレ、有機リン剤の欠点だ。(多々良、同書、p77)

**

多くの虫がごちゃごちゃ残る空間つくりがチャノキイロアザミウマ防除に有効である。(多々良、同書、p93)

**

*****

********************************************

鳥獣害対策Q&A:被害の原因

2017年9月12日 火曜日 雨

江口祐輔 本当に正しい鳥獣害対策Q&A 被害の原因は「間違った知識」にあった! 誠文堂新光社 2016年

 さらに、人里との境界にあたる林縁部には田畑や耕作放棄された茂みが存在します。野生動物はこの茂みを好みます。・・人間に見つからない拠点が人里にあり、その周囲においしい餌がある。野生動物は、人間がその存在に気づくずっと前から、すでに人里を利用しているのです。(江口、同書、p13)

**

*****

********************************************

コナガ(小菜蛾)おもしろ生態とかしこい防ぎ方

2017年9月12日 火曜日 雨

田中寛 コナガ おもしろ生態とかしこい防ぎ方 農文協 1993年

要は、収穫終了まで実害のない程度におとなしくしてもらえばよい。なだめ、すかしながら、だまし通せば目的は達したことになる。コナガとの戦争とはいうものの、彼らにとっては命がけで、こちらにとっては一種のゲームである。・・もっと楽しもう。あえてこの不謹慎な言葉を出陣にあたってのはなむけとさせていただく。(田中寛、同書、p117)

畑の中の雑草にもコナガがわんさといる
 キャベツ畑の畝間やあぜ道には雑草がたくさん生えており、ナズナやタネツケバナといったアブラナ科雑草が目につく。・・
雑草にもついでに薬をかけよう
 こんな圃場でキャベツだけに薬をまいてもダメなことは明らかだ。めんどうだけれど、畝間やあぜ道にもていねいにしっかりとまいておかないと薬剤散布の効果が長続きせず、結局は大きな損をする。・・草ぼうぼうにしている農家では、自分の畑に合ったやり方で除草の方法やタイミングを工夫されたし。(田中寛、同書、p94)

補註 著者の田中寛さんは大阪府立農林技術センターの方。

**

薬剤散布の達人が非常によく効く殺虫剤をていねいにまいたとしても、散布むらがまったくなくなることはない。(田中寛、同書、p109)

補註 ボルドー液などの予防的殺菌剤についても同じ。スピードスプレイヤーではなおさら大ざっぱとなり、散布むらが一定の割合で残るだろう。ブドウ栽培においてボルドー液散布だけでは、雨が降って蒸し暑い日本(北海道含め・・)の夏をべと病から逃げ切ることは難しいと思い知らされた今年の9月10日であった。(2017年9月12日・追記)

*****

********************************************

腐植を減らさず、多様で多層の土壌生物相を育むこと

2017年9月4日 月曜日 快晴

三枝敏郎 センチュウ おもしろ生態とかしこい防ぎ方

 耕地の荒廃から逃れるには、腐植を減らさず、多様で多層の土壌生物相を育むことが必要である。
 土壌微生物相の中で、土に最も大きな影響を及ぼすのは、多種類・多数のセンチュウの動向である。耕土中のセンチュウの種類の構成は、土の肥沃度、荒廃の指標とさえいいきれるのである。(三枝、同書、p37)

**

*****

********************************************

ボルドー液を使えばサビダニが増える

2017年8月29日 火曜日 雨のち曇り

田代暢哉 果樹の病害虫防除 ラクして減農薬 農文協 2007年

ボルドー液の問題点
⑤サビダニ・ハダニが増える
ボルドー液を散布するとミカンサビダニは間違いなく増加します。サビダニ対策をしていないと大きな被害を出してしまうので、注意が必要です。ハダニ類も増える場合が多いようです。・・なぜ、サビダニが増えるか原因はよくわかっていませんが、果実表面に生息して密度抑制に働いているサビダニ寄生菌類をボルドー液が抑制するからではないか、という説が有力です。(田代、同書、p138)

**

補註 私のブドウ園では今年、ボルドー液を使い続けてきたので、サビダニ(ブドウハモグリダニも近縁)が増えるという機序が働いているかもしれない。
 今のところ、症状は1本の苗で認められただけだが、対応は迅速に進めたい。

**

*****

********************************************