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鐸木能光 阿武隈梁山泊外伝

2017年11月3日 金曜日 晴れのち曇り、夜は雨

鐸木能光 阿武隈梁山泊外伝 Tanupack. Kindle 版 2016年

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「フクシマ」 は 社会 システム の 欠陥、 人 の 心 に 巣くう 不 正義 と 弱 さが 引き起こし た 問題 なの だ が、 問題 の 本質 は 時間 と共に どんどん はぐらかさ れ、 隠さ れ て いる。  

極めて 単純 に 言え ば「 税金 の 使い方 が 間違っ て いる」 という 問題 なの だ。

たくき よしみつ. 阿武隈梁山泊外伝: 全村避難の村に起きたこと (Tanupack) (Kindle の位置No.2700-2703). Tanupack. Kindle 版.

火力発電 の 比率 が 増える と 燃料 代 が かさん で 電気 料金 を 上げ なけれ ば なら ない、 と 電力 会社 は 言う が、 これ は 単に、 火力発電 の 燃料 代 には 国 が 税金 を 投入 し て 援助 し て くれ ない、 という こと に すぎ ない。 原発 と「 自然 エネルギー」( 太陽光 や 風力発電) には 莫大 な 税金 が 投入 さ れ て いる。 それ は 発電 コスト に 含ま れ て い ない。 この こと を 無視 し て エネルギー 問題 議論 を し て いる「 識者」 が 多 すぎる。

たくき よしみつ. 阿武隈梁山泊外伝: 全村避難の村に起きたこと (Tanupack) (Kindle の位置No.864-867). Tanupack. Kindle 版.

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福島原発事故分析:3号機と2号機の炉心溶融を避けることができた可能性

2016年3月5日 土曜日 快晴

田辺文也 解題「吉田調書」 ないがしろにされた手順書(4)続・ベント操作が事故を深刻化させた 世界(岩波書店)p224- 第八七九号 2016年3月

優先されたベント操作が、炉心損傷前は「やらなくてもよい」もしくは「やっても意味のない」ものだったということである。さらに、炉心損傷後は・・ずるずるとベント操作を続けることで・・「やってはいけない」操作に努力を傾注していた。(田辺、同書、p224)

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もし手順書がないがしろにされず、適切に参照されていたならば、福島原発事故において3号機と2号機の炉心溶融を避けることができた可能性が高い。その場合、福島原発事故による放射能放出は1号機のみからとなり、総放出量は実際の約10分の1となる。・・3号機と2号機の炉心溶融が回避できていたならば今だ10万人以上の人が非難を余儀なくされるという事態にはならなかったことを意味している。ただし12日から14日未明までの初期被曝の問題は残される。上記推定の根拠は・・以下、略・・・(田辺、同書、p235)

事故分析は全く科学的営みそのものであり、観測されたデータを説明できる仮説を構築し、それをさらに異なるデータまたはアプローチから検証するということの繰り返しによってのみ真理に到達し得る性格のものである。・・手順書と照らして事故時に実際にとられた判断と操作が適切であったか否かを詳細に分析することは事故分析の王道の出発点であるにもかかわらず、そのことにことさら触れようとせず沈黙が支配していること自体が異様な光景である。(田辺、同書、p237)

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チェルノブイリ甲状腺癌の実態

2016年3月5日 土曜日 快晴

尾松亮 チェルノブイリ被災国の知見は生かされているか ロシア政府報告書から読み解く甲状腺癌の実態 世界(岩波書店)p101- 第八七九号 2016年3月

(チェルノブイリ原発事故二年目の)1987年には甲状腺癌検出件数が著しく増加し、169件に達した。・・これは、チェルノブイリ原発事故25周年に発行されたロシア政府報告書(2011年)の主要汚染地域における甲状腺癌に関する記述である。(尾松、同書、p101)

ロシア政府報告書には、日本でチェルノブイリ甲状腺癌についてしばしば語られることと、明確に食い違うデータが示されている。(尾松、同書、p101)

日本では・・チェルノブイリ甲状腺癌について「四から五年後に増加」「事故時五歳以下の層に増加」「100mSy超の内部被曝で増加」という点を強調してきた。そして、福島県で見つかった甲状腺癌との違いに焦点が当てられてきた。 ロシア政府報告書と照らし合わせると、このような説明が必ずしも妥当でないことがわかる。(尾松、同書、p106上段のカラム)

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1.甲状腺癌の増加時期: 二年目から増加し、四から五年後に大幅に増加した。
ーーー福島県で原発事故後三年目までの甲状腺癌は原発事故と無関係、という論拠にはならない。

2.年齢層: 事故直後数年のあいだは、「事故時五歳以下」の層に甲状腺癌増加はない。
ーーー「事故時五歳以下」の層に甲状腺癌が目立って増えるのは10年後のの彼らが10代半ばになる95年頃。事故直後数年間をみると、事故時10代後半の層に甲状腺癌が増えている。
ーーー福島県で、現在まで事故時五歳以下の層に甲状腺癌が増えていないとしても、そこだけを見ればチェルノブイリ甲状腺癌との違いよりも類似性が目立つ。

3.被曝量:比較的低い被曝線量の地域でも甲状腺癌が増加
ーーーロシアの被災地では、より低い被曝量が推定される地域でも甲状腺癌の増加が認められている。
ーーー福島県内の方が被曝量がずっと低いため甲状腺癌は増えないという考え方は、成り立たない。(尾松、同書、p103-105を抜粋引用)

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チェルノブイリ被災国の知見の再検証を要す
・・・それらの資料を人類の共有財として、被災当事者、支援者に伝えるのが専門家の責務であるはずだ。・・・ロシア語の資料で翻訳が公開されないのをよいことに、専門家が文脈を無視して一部を抜き出し、その見解を押しつけるなら、逆に信頼を失うだけだ。(尾松、同書、p106)

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福島県での甲状腺がん多発に対して早く有効な対策を立てる必要がある。

2016年3月5日 土曜日 快晴

津田敏秀 福島・甲状腺がん多発の現状と原因 世界(岩波書店)p87-p100 第八七九号 2016年3月

年間100万人あたり一人か二人発生のがんが35万人中112人見つかっている。(津田、同書、p96)

福島県での甲状腺がんの桁違いの多発はもう現実のものとなっている。・・津金センター長は、その桁外れの多発の多くが過剰診断で説明できるとしており、私(津田)は、その多くが原発事故による増加であると主張している。いまや問題は、多発を、過剰診断と原発事故の二つの原因で説明し、その二つのブレンド具合がどうなのかということなのである。前者の、検診によって潜在するがんとも言えない腫瘤を検出している可能性は、検出されたがんの一部でしかなさそうであることは、検出割合の福島県内でのばらつきや、チェルノブイリでのデータ、福島県での手術後所見から言える。・・福島県で、今後、このようななんらかの上昇傾向が生じることはもはや避けがたい。(津田、同書、p98-99)

今はもう多発しているか否かではなく、対策を立てる段階である。どのように早く有効な対策を立てるのかが今問われているのである。(津田、同書、p100)

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外部比較である発生率比と内部比較である有病オッズ比の結果(采薪の2015年11月30日発表までのデータ):
(津田、同書、p89の表)一巡目(2015年6月30日締めの確定版)は、外部比較で20から50倍の多発が生じており、・・(内部比較の有病オッズ比の情報では)・・0倍の地域を除くと最大2.6倍の違いが見られている。二巡目検診(本格検査)の結果は、・・すでに一巡目の倍率や有病割合を上まわり始めている。・・これに事故から検診までの期間を考慮すれば・・原子力発電所に近い地域ほど多発していることがわかる。(津田、同書、p93より抜粋引用)

スクリーニング効果と過剰診断
スクリーニング効果:検診によって発生率より多めのがんが見つかることは避けがたい。
過剰診断:将来的に症状が現れたり命を脅かしたりすることのないがんを診断で見つけてしまうこと。(津田、同書、p94より抜粋)

実地疫学(field epidemiology):医学における因果関係の推論方法
原因を突き止めるのに、原因暴露の推定値は邪魔にはならないが当初はなくても構わないのであり、ましてや当初から不完全な原因情報に頼り切りになってはいけない。(津田、同書、p98上段のカラム)

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科学の問題に絡むイデオロギー問題
たとえば100mSy閾値論のように、明らかに専門的情報とは著しく異なる危険とも言える情報が公に信じられていたら、それに気づいた専門家としては、「それは誤りです」と伝え、できるだけ正確に情報を伝えようと思うし、それがむしろ社会的にも倫理的にも妥当な態度だろう。(津田、同書、p99下段のカラム)

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補注: 昨年の3月12日付けの投稿「100ミリシーベルト以下なら安全か」を以下に再掲する。同じ「世界」からのメモ。

100ミリシーベルト以下なら安全か
大震災・原発事故から4年(3)

まさのあつこ 砕かれた「100ミリシーベルト以下は安全」神話ーーー福島の小児甲状腺がんの現実 特集 これが復興なのか 世界 2015年4月号 岩波書店 pp117〜125

安全神話「100ミリシーベルト以下は安全」として著者があげているのは以下の5項目:
1「100ミリシーベルト以下は安全」
2 100ミリシーベルト以下と推計されたから影響はない
3 潜伏期間は4〜5年
4 増加はスクリーニング効果
5「過剰診断」論

以下、引用:

なぜ、被曝線量の実測値データが1080人分しかないのか・・・2011年3月23日、原子力安全委員会は・・・原子力災害対策本部に対して、・・・子どもの甲状腺の外部線量の測定を命じた。そして・・・一歳児で「100ミリシーベルト相当」以下なら問題はない、それ以上なら放射線医学総合研究所などに問い合わせるよう指示した。・・・その直後の四月一日、原子力安全委員会と原子力災害対策本部は、・・・100ミリシーベルト相当「よりも低い値であることから追跡調査を実施しなくても問題はないと考えられる」などの理由で、測定を止めた。使えるとされたデータは三月二十四日から三十日の間に測定した飯舘村、川俣町、いわき市の1080人分だけとなった。・・・この間、誰も「100ミリシーベルト」の意味を質していない。・・・線量が高かったところでの測定はそもそも行われていない。高線量地域のデータは欠け、低線量地域の汚染は問題視されなかった。・・・福島県「県民健康調査」検討委員会でも環境省の専門家会議でも、今になって測定線量データの不足を嘆いている。(同書、p121-2)

以上、2015年3月12日付けの投稿を再掲。

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Decommissioning of the nuclear reactors at the crippled Fukushima No. 1 power station

https://japansafety.wordpress.com/2015/06/25/editorial-no-more-half-baked-plans-for-decommissioning-fukushima-reactors-the-asahi-shimbun/

Editorial: No more half-baked plans for decommissioning Fukushima reactors — The Asahi Shimbun

” For the first time in two years, the government and Tokyo Electric Power Co. have announced a revised mid- to long-term road map for decommissioning nuclear reactors at the crippled Fukushima No. 1 power station. The removal of spent nuclear fuel from storage pools at the No. 1, No. 2 and No. 3 reactors will be delayed by up to three years.

The government and TEPCO explained this delay is due to their new policy of “risk reduction over speed.”

This delay, right from the start, must mean that the old road map was poorly planned.

Are the government and TEPCO really able to now foretell that the delay will be three years at most? And why was risk reduction not their top priority until now?

The government and TEPCO must draw concrete lessons from all the delays to date and apply the lessons to the long-term decommissioning road map.

Spent nuclear fuel in the fuel pools must be removed to a safe place as soon as possible. Delays in its removal are caused by the time-consuming preparatory work of debris removal and decontamination of workspace floors.

In autumn 2013, Prime Minister Shinzo Abe declared in his 2020 Olympics bid speech that the situation was “under control.”

Since then, it has become abundantly clear that the situation is anything but under control, and that the previous decommissioning road map failed to accurately assess the high level and extensive spread of radiation contamination.

Removing debris releases radioactive substances into the atmosphere, possibly causing them to spread beyond the plant grounds. Delays in decontamination expose workers to higher doses of radiation and limit their working hours.

Although nobody knew the amount or exact location of melted fuel in the reactors, the old road map indicated the “flooding method” of removal, meaning the containment vessels of the No. 1, No. 2 and No. 3 reactors were to be filled with water. This method is similar to the usual removal method.

But probing the conditions of the containment vessels by various means revealed the difficulties of stopping the water leakage and problems regarding earthquake-proofing. It is only natural that the new road map proposes to reject the flooding method for the time being and study other removal methods over the next two years.

What we do not understand is why the government and TEPCO continued to reject the recommendation of outside experts to study the matter more broadly.

Last month, TEPCO announced the “completion” of processing a massive amount of highly contaminated water that had collected in clusters of storage tanks. But work is still continuing on separating radioactive substances from about 300 tons of highly contaminated water, which is generated every day. Any water still contaminated by unremoved tritium continues to remain in the tanks.

The decommissioning of reactors after a nuclear disaster is a truly challenging task that Japan has never experienced before.

The government and TEPCO must proceed by prioritizing risk reduction while explaining the situation to the local communities and the nation at large to win their understanding of the decommissioning work itself. ”