カテゴリー別アーカイブ: mathematics

自由度 degree of freedom

2016年9月10日 土曜日 晴れ

語意メモ 自由度 degree of freedom
ウィキペディアによると・・・
自由度(じゆうど、英語: degree of freedom)とは、一般に、変数のうち独立に選べるものの数、すなわち、全変数の数から、それら相互間に成り立つ関係式(束縛条件、拘束条件)の数を引いたものである。数学的に言えば、多様体の次元である。「自由度1」、「1自由度」などと表現する。
自由度は、力学、機構学、統計学などで使用され、意味は上記の定義に準じるが、それぞれの具体的に示唆する処は異なる。(以下、それぞれの分野に関して詳細な解説がある。)

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補注 線形代数で連立一次方程式の解の自由度は、同伴する斉一次方程式の解空間の次元(基本解のベクトルの個数)であるnーrを、連立方程式の解の自由度という。

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クラメルの公式

2016年9月9日 金曜日 雨のち曇り

語意メモ クラーメルないしクラメルの公式 Cramer’s rule

補注 Gabriel Cramer氏の呼び方について: フランス語で著書が出版されている(スイスの出版社)のでフランス語圏の人かと思う。そうするとドイツ語読みだとクラーメル、フランス語読みではクラーメルないしクラメール、英語読みならクレイマーか(英語だと我々日本人はclaimerと聞き分けられない可能性があるのでできれば避けたい)。
私の持っている数学用語英和辞典によると、読みはクラメルとなっている。スイスに生まれ(1704年)、南フランス旅行中に死す(1752年)、とのこと。

Cramer’s rule ウィキペディアによると・・・
クラメルの公式
線型代数学におけるクラメルの法則あるいはクラメルの公式(クラメルのこうしき、英: Cramer’s rule; クラメルの規則)は、未知数の数と方程式の本数が一致し、かつ一意的に解ける線型方程式系の解を明示的に書き表す行列式公式である。これは、方程式の解を正方係数行列とその各列ベクトルを一つずつ方程式の右辺のベクトルで置き換えて得られる行列の行列式で表すものになっている。名称はガブリエル・クラーメル (1704–1752) に因むもので、クラーメルは任意個の未知数に関する法則を1750年に記している[1]。なお特別の場合に限れば、コリン・マクローリンが1748年に公表[2]している(また、恐らくはそれを1729年ごろにはすでに知っていたと思われる[3][4][5])。(以下、詳しい解説あり)

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ベクトル場・微分方程式が語る世界

2016年9月8日 木曜日 曇りときどき雨

川久保勝夫 なっとくする行列・ベクトル 講談社 1999年

ベクトル場が語る世界
自然現象は、(理論を構築することによって)「微分方程式」と呼ばれるもので表現できる。そして実際にそこで何が起こるかは、この微分方程式を解くことによって明らかになる。ここでいうところの微分方程式とは、ベクトル場の別名と考えてもよいであろう。(川久保、同書、p13)

そもそも微分という操作は、関数を局所的に見て線型化したものといえる。また、スカラー場があると、そこから微分を介してベクトル場が導かれたりする。さらに、ベクトル場とは微分方程式のことにほかならず、他変数関数の微分や積分においては、行列や行列式が必然的に登場する。ヤコビ行列やヤコビ行列式と呼ばれるものがそれである。したがって電磁気学や流体力学においては、ベクトル場を静観するのではなく、微分方程式の視点でとらえることにより、その特性が見事に表現されることになるのである。  このように、微分積分学と線形代数学とは切っても切れない関係にある。(川久保、同書、p239-240)

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マルコフ過程と行列
固有値も固有ベクトルも、与えられた行列に文字通り固有のものであるから、この驚くべき現象も、行列を使った視点から見ることにより、その背後にある数学的なしくみが見えたというわけである。行列のパワーを、肌で感じとっていただけたと思う。(川久保、同書、p245)

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補注 川久保さんの線形代数学の
教科書で勉強させていただいた10年来の過去があるが、今回は「なっとくする」シリーズの副読本を、おさらいのために通読。行列式の幾何学的な解説など、読んでいてとても面白く進められた。ただし、8章のエルミット内積辺りになると、もっと詳しい本で練習問題を解きながら進めないと理解が定着しない、というのが現在の私の学習段階である。
 著者の川久保さんはこの本を出版された年の4月(出版されたのは同年12月)に57歳でお亡くなりになられた。残して下さった貴重な著書をこれからも大切にしたいと思う。(2016年9月10日附記)

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趣味で物理学

2016年9月7日 水曜日 晴れのち曇り 午後2時頃からときどき強い雨

広江克彦 趣味で物理学 理工図書 2007年

単位時間に与えられる運動量の大きさを「力」と呼ぶ

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ポテンシャルエネルギーの正体
そもそもポテンシャルエネルギーというのは、力を及ぼしあう2つの物体の間の関係を表したものである。上の疑問のように、持ち上げられた物体の側だけにそのエネルギーが蓄えられていると考えるのは変である。(広江、同書、p41) ・・・(中略)・・・ ポテンシャルエネルギーに実体はないのである。よって、どこに蓄えられているわけでもない。ただ、ある地点から抜けるのにどれだけの運動エネルギーが必要かを表しただけの人為的なパラメータである。こう言ってしまうと、定義どおりの当たり前のことを繰り返しているだけの気がするが、今や、エネルギーについての理解は前より広がっている。  エネルギーが保存するのは、エネルギーが保存するようにポテンシャルエネルギーを導入して辻褄合わせをしたからなのである。全く当たり前のつまらない結論だ。エネルギー保存則の裏に「在る」のは、運動量と、運動量を交換する法則だけなのである。(広江、同書、p43)

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てこの原理を考える
・・我々はよくこれらのことを「てこの原理によって・・」と一言で片付けているが、よくよく考えるとなぜこのような事が起きるのであろうか? 「原理」と呼ばれているが、本当に原理と呼ぶほど基本的な法則なのだろうか? いや、そうではない。もっと基本的なことから説明がつくのである。(広江、同書、p46)・・・(中略)・・・ ただ「2点の間を結ぶ棒」という制約条件が入る事によって当然成り立つ現象なのである。  二つの点が結ばれているという条件は大切である。・・・(中略)・・・ 回転というのは2つ以上の物体が「結ばれている」という条件によって大きな意味を持ち始めるのである。そしてこの世にある物質は「力」という制約条件によってお互いに結ばれている。(広江、同書、p47)

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角運動量 angular momentum L = r x p
r 回転の半径
p ある半径で回転運動をしている質点の運動量(広江、同書、p49)

力のモーメント N = dL/dt
つまり角運動量Lとは力のモーメントNによる回転の効果を時間的に積算したものである、と言う以外には正しく表しようのないものであって、日常用語でぴったりくる言葉はないのかも知れない。(広江、同書、p50)

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趣味で相対論

2016年9月1日 木曜日 晴れ

広江克彦 趣味で相対論 理工図書 2008年

勉強する為には、実際に自分の手を動かして複雑な問題を解いてみるのは当然だと思っている人もあるだろう。それによる効用は決して否定しないが、それができないほど疲れ切った状況にある人が、わずかな時間を使って学問を楽しんでもいいではないか、と私は思うのだ。  それで私は、状況把握の面倒臭さに読書の邪魔をされるのではなく、もっと問題の本質的な部分で頭を使ってもらえるようにしたいと思っている。たとえそこに紙とペンがなくても、目をとじればいつでも心のスクリーンに問題が描けるような・・・。その問題の答えがどうしても気になってしまえば、その人はやがて自分の意志で紙とペンを取りに行くだろう。それがそのひとにとっての「趣味で相対論」の始まりだ。(広江、同書、序文iii)

時空回転と不変量
前節で求めたローレンツ変換式だが、これを見ていても美しいなあ、とは感じないかも知れない。二つの式の対称性がわかりにくくなっているからだ。しかし、ちょっとした変形をしてやるだけでこの二つの式は非常に似た形になる。相対論では時間と空間に同等の地位を与えて扱うことになるのだが、、その理由がここにあるのだ。(広江、同書、

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相対論というのは、そもそも式の不変性を要求するところから始まる体系であることを把握しておいてもらいたい。  なぜ電場が磁場の一部に化けるのか、なぜ磁場が電場の一部に化けるのか、その理由までは相対論は説明しない。ただ、相対論の二つの原理(補注*)を認めるならば、どうしてもそこはそうでなくてはならないと結論づけるだけである。それが相対論による、ある意味とても簡潔な説明だとも言える。(広江、同書、p83)

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補注* 相対論の二つの原理 ・・というのは、
1)光速不変の原理 光の速さは光源の速度によらない
2)相対性原理 どんな慣性系でも物理法則は同じ形で表せる(広江、同書、p11に詳しく記載されている。この本のレイアウト、説明の道のりはとてもわかりやすく、覚えやすい。)

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光の湾曲
・・この式が意味するのは、一般相対論においては光速は観測者の立場によって、場所場所で変わるものであり、もはやcで一定だとは限らないということである。しかしその光が存在する現場に立って見るとやはり光速はcなのである。(広江、同書、p232)

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水星の近日点移動
・・今回もすっきりしてなかなかいい形をしている。これこそ、光に限らないで普通の物体にも成り立つ測地線の方程式である。時空が曲がっているので、測地線の中には太陽の周りを回り続ける軌跡を描くものもあるというわけだろう。(広江、同書、p243)

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加速系の座標変換
一般相対論というのは、「星の質量に引かれることによる真の重力」も、「加速することで感じる擬似的な重力」も、どちらも同じように座標変換によって生じる力として説明してやろうというものだった。  真の重力が時空の歪みによって作り出されていることは分かった。一方、加速運動している人は、周りに星なんか無い場所であっても、重力らしきものを感じている。彼らにとっては時空が曲がっていると解釈できるということなのだろうか? (広江、同書、p253)

・・では加速を切った瞬間に、いきなり変換のルールが大きく変わってしまうものだろうか。いや、加速中には速度vが変化してはいるが、次々と慣性系を乗り換えているだけだと考えられるから、その一瞬一瞬にはその時点の速度でのローレンツ変換が適用できるに違いない。(広江、同書、p254)・・・(中略)・・・ そんなとき、「リンドラー座標」というものに出会った。その図を見た瞬間、探していたのはこれだと思った。 これは一定加速度aで進むロケットの系と静止系との関係を静止系の立場で表したものとなっているらしい。確かにローレンツ変換に似たひし形が無数にあって、時間の経過とともにひしゃげて行っている。こんな表現の仕方が可能だったとは・・。しかし一体どういう考えでこうなるのだろう。(広江、同書、p254-255)・・・(中略)・・・ 加速によって擬似的な重力を感じていたとしても、時空は曲がってなどいないということだ。それは誰から見ても曲がっていない。一方、真の重力がある時には時空は曲がっている。誰かの視点による見かけだけの話ではなくて、確かに曲がっている。・・・(中略)・・・ 加速を論じるのに、一般相対論は必須ではない。つまり、一般相対論は特殊相対論の拡張になっていて、慣性系や加速系をも包括して扱える形式を用意しているけれども、その本当の価値は、真の重力場を記述するときにこそ発揮されるということだろう。  一般相対論は本当に「重力のための理論」であるというわけだ。(広江、同書、p263)

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補注 私にとって、一般相対論まで解説した本を読むのはこれが初めてのことである。テンソル解析の数式を追う数学力に関してはこれからの課題であるが、今回初めて数式本を通読することによって、私の世界の見通しが良くなってきたのを実感する。物理学や数学の勉強を進めてゆく上でも大いに励まされ、目標設定にも役立った。静かに、感動的な本であった。もう少し、数学力で成長してから、再び読み通してみたいと思う。著者のウェブサイト
EMANの物理学 http://eman-physics.net/ もこれから訪れてみたいと思う。2016年9月7日 追記

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