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語意メモ 難民 vs 移民

2017年1月1日 日曜日 晴れ

語意メモ 難民vs移民

“難民”という単語は、法的に“戦争、迫害、あるいは自然災害から逃れるために自国を去ることを強いられた人”と定義されている。更に関連する単語“亡命希望者”は“政治難民として母国から去り、他の国への亡命を求めている人”と定義されている。三つ目が、フランシスコ・ローマ教皇と、2016年のドレスデンにおけるビルダーバーグ会議の双方が用いた、背後の概念が全く異なる単語、つまり“移民”という単語だ。移民は“仕事やより良い生活条件を探すため、ある場所から他の場所に移動する人”と正確に規定されている。戦争、政治的迫害や生命に危険な災害に関する言及は皆無だ。

明らかにそうではないものを、南部からEUへの移民と呼ぶことで、単語は、この移民の背後にある原因、つまりアメリカ-イギリス-フランスが引き起こした一連の戦争、石油、そして今やガス支配のための戦争、ヒラリー・クリントンが当初アラブの春と呼んだリビア、エジプト、チュニジア、シリアでの戦争を完全に曖昧にしている。過去十五ヶ月に、トルコからEUに流れ込んだ百万人以上の人々は移民ではない。彼らは戦争難民なのだ。

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2017/01/post-d0a4.html より引用。
オリジナル記事原文のurl:http://www.williamengdahl.com/englishNEO17Dec2016.php

定義:

“難民”: “戦争、迫害、あるいは自然災害から逃れるために自国を去ることを強いられた人”

“亡命希望者”: “政治難民として母国から去り、他の国への亡命を求めている人”

“移民”: “仕事やより良い生活条件を探すため、ある場所から他の場所に移動する人”

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チャペック わたしはなぜコミュニストでないのか

2016年12月22日 木曜日 雪(ないし雨)

カレル・チャペック いろいろな人たち チェペック・エッセイ集 飯島周編訳 平凡社ライブラリー90 1995年

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(チャペック、わたしはなぜコミュニストでないのか、同書、p227-245、1924年)

一般に、貧しい人はなにも失う危険がないといわれる。だが、それどころか、なにをどうしようが、貧しい人はつねに最高に危険な賭けをしているのだ。何かを失うことは、最後のパン屑まで失うことになるのだから。その貧しい人のパン屑については実験されていない。(チャペック、わたしはなぜコミュニストでないのか、同書、p233)

・・貧しい人たちを援助すべき時があるとしたら、もう今日にでも始めるべきである。もちろん、今日の世界にそのための道徳的援助手段が十分にあるかどうかは問題である。コミュニズムは、そんなものはないと言う。さてそこで、われわれが意見を異にするのはまさにこの否定の点なのだ。わたしは、現在のこの社会的なソドムの中に、完全な公正さが十分にあると主張することを望んではいない。しかし、ソドムの人間であるわれわれ一人ひとりの中には、ちょっぴり公正さが存在している。そして、われわれがさらに努力をし多くの手を握り合うことによって、完全に十分な公正さについて話し合うことができるだろうと信じている。・・・(中略)・・・貧しい人たちにとって、そしてわたしにとっても重要なのは、今日この場で少なくともどれだけの保護を与えられたかということであり、革命の旗がはためくその栄えある瞬間をわくわくしながら待つことではない。
 貧しい人たちの問題は今日の課題であって、次の社会体制になってからの課題ではないと信ずること、それは、もちろんコミュニストでないことを意味する。今日のパン一切れとストーブのぬくもりが、二十年後の革命より大切なのだと信ずること、それは、まさに非コミュニスト的な気質を意味する。(チャペック、わたしはなぜコミュニストでないのか、同書、p233-234)

・・貧しい人たちの心の底には、むしろ不思議な、この上もなく美しい陽気さがある。(チャペック、わたしはなぜコミュニストでないのか、同書、p235)

・・わたし自身は、習慣的にこの世を特別にばら色に塗り立てるべきだとは考えていない。しかし、コミュニズムの非人間的な否定と悲劇性に出逢うたびに、それは真実ではない、そのすべてはそんな風に見えない、と怒りに満ちた抗議の叫び声をあげたくなる。・・・(中略)・・・今日にせよ次代にせよ、人間の完全性をわたしは信じない。革命によっても、人類を削減することによっても、世界が良き天国になることはない。しかし、われわれ罪深き人間の一人ひとりの中に最終的には存在する良きものを、もしもなんらかの方法ですべて集めることができるなら、それにもとづいてこの世界を、今までよりもずっと人間にやさしいものに構成することができるだろうとわたしは信ずる。そんなことは頭の弱い人間の博愛精神だとおっしゃるかもしれない。その通り、わたしは人間なるがゆえに人間を愛する、愚か者の仲間である。(チャペック、わたしはなぜコミュニストでないのか、同書、p237-238)

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日本政府の核廃絶平和主義は偽善

2016年8月23日 火曜日 雨

日本政府の核廃絶平和主義は偽善

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オバマの核先制不使用宣言

2016年8月22日   田中 宇 http://tanakanews.com/160822nuke.htm より <以下引用(長い引用で恐縮です)>

 世界的な核廃絶を個人的な目標にして米大統領になったバラク・オバマが、政治的なしがらみを気にしなくてすむ任期の最後の半年間に、再び核廃絶の策を進めようとしている。今回のオバマの策は、多岐にわたっている。(1)核の先制不使用の宣言(米国自身の宣言とともに、国連安保理で、合法的に核保有を許されている5つの常任理事国のすべてが先制不使用を決議する形をおそらくめざしている)、(2)国連安保理で核実験の禁止を決議し、米議会などが批准を拒否している核実験禁止条約(CTBT)の実質的な発効を目指す、(3)米議会が可決してオバマもいったん承認した巨額予算の核兵器の近代化計画(補注*)を大統領権限で縮小する、(4)限定核戦争を想定した新型ミサイル(LRSO)の開発を延期する、(5)米露の核ミサイル軍縮である新STARTの延長・・・などが盛り込まれている。最大のものは「核の先制不使用の宣言」だ。 (Obama plans major nuclear policy changes in his final months)

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核廃絶を希望するふりして希望してない日本

 こうして見ると、オバマの世界的な核先制不使用の計画に反対するのは、中露など非米諸国でなく、日韓英仏といった米国の同盟諸国の方である。オバマの計画が7月初旬にマスコミへのリークで表面化した後、日本、韓国、英国、フランスが、連名で計画に反対した。英仏はP5だ。日韓と英仏では、反対する動機が異なる。・・・(中略)・・・英仏は、オバマがNATOの結束を乱していることに不満なのであり、核先制不使用そのものに反対しているのでない。

http://www.journalnow.com/opinion/columnists/josh-rogin-u-s-allies-oppose-facet-of-obama-s/article_4931bf7f-5607-5e2c-b229-8705c92917e0.html U.S. allies oppose facet of Obama’s nuclear `legacy’ (補注参照)

・・・(中略)・・・

 長期的に対米従属からの脱却傾向である英仏と対照的に、日本と韓国は、対米従属を続けられなくなることをいやがって、オバマの核先制不使用に反対している。韓国は、南北和解・在韓米軍撤収・中国との協調(従属)といった、対米従属以外の道があるが、日本は、対米従属以外の道を用意していない。・・・(中略)・・・日本政府は、表向き核廃絶を希求しているように見せかけてきたが、実のところ核廃絶など望んでおらず、米国が核の先制使用を振り回し、北が核武装する事態を歓迎していた。オバマの主導で世界が核先制不使用を宣言すると、北朝鮮や中国との緊張が緩和され、米国が「米軍がいなくても日本は自衛できる」と考える流れになり、在日米軍が撤退傾向となり、対米従属を続けられなくなる。だから日本はオバマの計画に反対している。戦後日本の平和主義は対米従属のためのものであり、偽善だった。

 かつてオバマは、核廃絶に向けた日本政府の意欲に期待していた。オバマはプラハ宣言の後、日本と豪州という同盟諸国に、世界核廃絶の音頭をとってほしいと頼み、日本政府は川口順子・元外相を立て、豪政府はエバンス元外相を立てて、川口とエバンスが主導する国際組織ICNND(核不拡散・核軍縮に関する国際委員会)が作られた。だがその後、日豪政府が核廃絶に本腰を入れることはなく、ICNNDは大した動きをしていない(今回のオバマの計画には歓迎の意を示したが)。オバマは日本政府のウソの姿勢を見抜けず、一時日本に期待して裏切られた末に、今回は中国など非米側の諸国に頼って先制不使用を計画することにしたようだ。今から思うと、5月末のオバマの広島訪問は、今回の先制不使用などの計画の先駆となる象徴的な動きだった。オバマは、安倍首相とともに広島を訪問することで、安倍(や後ろで操っている日本外務省)に「口だけでなくちゃんとやれよ。俺はやるぜ」というメッセージを送ったともいえる。

<以上、引用終わり>

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補注
http://www.journalnow.com/opinion/columnists/josh-rogin-u-s-allies-oppose-facet-of-obama-s/article_4931bf7f-5607-5e2c-b229-8705c92917e0.html  Posted: Wednesday, August 17, 2016 8:30 pm  By Josh Rogin The Washington Post

<以下引用>

The governments of Japan, South Korea, France and Britain have all privately communicated their concerns about a potential declaration by President Obama of a “no first use” nuclear-weapons policy for the United States. U.S. allies have various reasons for objecting to what would be a landmark change in America’s nuclear posture, but they are all against it, according to U.S. officials, foreign diplomats and nuclear experts.

Japan, in particular, believes that if Obama declares a “no first use” policy, deterrence against countries such as North Korea will suffer and the risks of conflict will rise. Japanese Prime Minister Shinzo Abe personally conveyed that message recently to Adm. Harry Harris Jr., the head of U.S. Pacific Command, according to two government officials.

・・・(中略)・・・

The Obama administration first expressed its desire to move the United States to “no first use” in a 2010 policy document that stated that conditions for such a move were not ripe but pledged that the America would “work to establish conditions under which such a policy could be safely adopted.” Since 2010, the world has only grown less stable. Nevertheless, proponents of the new policy say concerns about the change are unfounded.

以下略

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補注 上記の記事は一部引用したようにごく簡単なもので、詳細は他に当たるしかないだろう。あるいはきちんと英文の行間を読める必要がある。(残念ながら今の私にその英語力・総合力が欠けている。)
 Shinzo Abe personally conveyed that message・・・と、安倍総理の個人的な見解が伝えられたように書かれているが、もちろん、日本外務省官僚の総体的考えを反映していると受けとらなければならない。
 日本国民の恐らく多くが核廃絶を(ぼんやりと)希求しているなかで、日本政府はオバマの提案しようとする “no first use” にさえ明らかに反対しているというのが現実である。私たち日本国民の全ては、少なくともこのような事実をしっかりと知り、これからの「平和」を考え、行動してゆかなければならない。
 以前の私の記事にも再三述べているように、民主主義を成り立たせる基本は、国民がまず「知ること」、そして正しい現実認識に基づいて考えることである。

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補注 2016年8月24日追記 トッテンさんのサイトより <以下引用> https://kamogawakosuke.info/2011/02/07/昨年のベネズエラ豪雨/
「戦争をしたい人はいない。しかしその政策を決めるのは国のリーダーたちであり、国民を巻込むのは簡単だ。国は攻撃を受けている、と言えばいい。平和主義者には、愛国心が足りない、それでは国家が危険にさらされる、と非難すればいい。この方法はどこの国でもうまくいく」。こう言っていたのはナチスドイツの政治家、ヘルマン・ゲーリングだった。

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補注* 2016年8月24日追記
巨額な核予算、その数字は100兆円レベルである。以下は「マスコミに載らない海外記事」さん http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/post-bdfa.html から孫引き
「オバマは、一兆ドルのアメリカ核兵器近代化計画を発表した。http://billmoyers.com/story/the-trillion-dollar-question-the-media-have-neglected-to-ask-presidential-candidates/ 死のために使われるこの膨大な金額は、そうではなく、生のために使うことも可能なはずだ。」<以上、引用終わり>

偽善といってもスケールが巨大で懐が極めて深い。簡単には理解を拒絶する。それに比べれば日本政府の偽善はストレートな対米従属として理解しやすいものかもしれない。

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2016年10月28日 金曜日 追記
補注 昨日のNHKニュースで、
以下、NHKニュースWEBサイトから引用:「核兵器禁止条約 決議案が国連の委員会で採択 日本は反対
10月28日 10時18分   核兵器を法的に禁止する初めての条約の制定を目指す決議案が国連総会の委員会で採決にかけられ、123か国の賛成多数で採択されましたが、アメリカなどの核兵器の保有国に加え、アメリカの核の傘に守られ、段階的な核軍縮を主張している日本も反対に回りました。  この決議はオーストリアなど核兵器を保有しない50か国以上が共同で提案したもので、核兵器を法的に禁止する初めての条約の制定を目指して、来年3月からニューヨークで交渉を始めるとしています。・・・(中略)・・・ 今回の決議がことし12月に国連総会の本会議でも採択されれば、来年3月から核兵器禁止条約の制定に向けた交渉が始まることになり、世界の核軍縮の流れにどのような影響を及ぼすのか、注目されます。(以下、略)」
 NHKニュースWEBサイトなどで国連での採決結果に関してある程度詳しい情報が報道されていることは評価できるかと思う。ただ、「日本」(この場合は日本政府)の真意、国際社会での行動の意思決定の決められ方の機序などの重要な部分に関して、私を含めて日本国民のほとんどには理解できないのではなかろうか。
 民主主義国家とされていながら、国民が十分に「知ることができない」ところで日本政府の行政意思決定がなされている。(2016年10月28日追記)

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A nation which has become habituated to this deception

2016年7月11日 月曜日 曇り

藤永さんのブログサイトより http://blog.goo.ne.jp/goo1818sigeru/e/45505ec87fb5d736a4cbd36d795eb36f

私が舞い戻る場所は、またしても、ホブソンの『帝国主義論』の中の言葉です。
■ The gravest peril of Imperialism lies in the state of mind of a nation which has become habituated to this deception and which has rendered itself incapable of self-criticism. For this is the condition which Plato terms “ the lie in the soul” ? a lie which does not know itself to be a lie. (翻訳 : 帝国主義の最も憂慮すべき危険は、国家がこの欺瞞に慣れっこになって、進んで自己批判をすることが出来なくなってしまう心理状態におちいることだ。というのは、これがプラトンのいう“魂の中の嘘”- 自らはそれが嘘であることを知らない嘘 - という状態だからだ。)・・・(中略)・・・100年前にホブソンがとったこの視座に就くと、過去と現在のアングロサクソン国家、国民の行動のパターンがよく読み取れ、その謎が見事に読み解けます。
 2007年8月29日付けのブログ「白人にも黒人にも公平にする?(4)」の中で論じたバーナード・ショウの『運命の人』の原書が手に入りましたので、関連部分を書き写します。彼は、この戯曲の中で、ホブソンの考えと同じことをナポレオンに言わせています。:
■ But every Englishman is born with a certain miraculous power that makes him master of the world. When he wants a thing, he never tells himself that he wants it. He waits patiently until there comes into his mind, no one knows how, a burning conviction that it is his moral and religious duty to conquer those who possess the thing he wants. Then he becomes irresistible. Like the aristocrat, he does what pleases him and grabs what he covets: like the shopkeeper, he pursues with industry and steadfastness that come from strong religious conviction and deep sense of moral responsibility. He is never at a loss for an effective moral attitude. As the great champion of freedom and national independence, he conquers and annexes half the world, and calls it Colonization. ■
ナポレオンの辛辣な洞察に満ちた言葉はまだまだ続きますから、興味のある方は是非原書をご覧下さい。自分の魂の中の壮大な嘘を,嘘と自分に知らせずに信じ続けるためには、現実世界の中で、壮大な虚妄を演出し続けて、自分を騙し続けなければなりません。それがアメリカの現実です。その演出行為は無数の犠牲者を生みます。それが世界の現実です。藤永茂(2007年10月17日)

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原子力をはじめとする巨大技術をマネジメントする資格

2016年6月1日 水曜日 雨

武田邦彦 エネルギーと原発のウソをすべて話そう 産経新聞出版 平成23(2011)年6月8日 第1刷発行

再び原発を動かすための資格要件: 原発事故の根底にある日本の問題
原発を動かすためには50年ぐらいかけて人と技術を立て直すべきだ。(武田、同書、p194)

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福島原発の事故を起こした日本社会の根源的な問題を挙げ、再び原発を動かすのならば次の4つの力が資格要件:

1 覚悟を決めて真正面から向き合う力
2 技術と思想をわけて考える力
3 科学的事実を認める力
4 学問と表現の自由を貫く力

この4つをもてなければ、日本は原子力を進めることができない。原子力のみならず、巨大技術をマネジメントできない。(武田、同書、p212-213より)

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