まちかど紀行

ナナカマドの花

並木のナナカマドが咲き始めた、と思っているうちに、今週は満開になりそうだ。

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ナナカマド、このように陽当たりの良い場所では単独生活者の大木になるし、少し手前のビール工場にはさまれた陽当たりの悪い廃線跡ではすっと伸びた長身の並木群となって立ち並んでいる。

ナナカマドは、北国では、季節とのかけっこの中でとりわけ足取りの素早い樹のように思う。つい今月の初めにようやく冬の眠りから覚めたところ。はやばやと新緑、と思えば、今週は満開の花盛り。八重桜の満開にさっと追いつく。この白い花はいつのまにか散ってしまい、小さな緑の実でいっぱいとなる。北国では8月の終わり頃にはすでに赤く色づいて秋を感じさせる。寒くなってくると、紅葉が美しく、けれど初雪が降る頃にはすでにすっかり葉を落としてしまっている。冬の間は鮮やかな赤い実が残ってヒヨドリたちに遊び場とおやつを提供しているのだろうけれど、6ヶ月もの長い冬を眠って過ごしているようす。

 

以上、2010年5月31日付WEBページより再掲

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