読書ノート

なるほど、ただ睨んでいるだけでは壁に穴を穿つことは出来ぬ。

2026年2月8日 日曜日 雪 総選挙の投票日 私は先週に日曜日に期日前投票を済ませてある。

山本周五郎 松風の門 新潮文庫(オリジナルは「現代」昭和15年10月号)

 ・・「面壁九年ののち、達磨は結跏を解いて起ちながら、かように申したと存じます、なるほど、ただ睨んでいるだけでは壁に穴は明かぬ ・・ 睨んでいるだけでは」と彼は繰り返した、「・・壁に穴を穿つことは出来ぬ、そう申したと存じます」・・真面目くさって云えば云うほど、それはばかげた、埒もない言葉に思われた。宗利は八郎兵衛のとり澄ました顔と、その言葉の愚かしさとの対照の奇妙さに、大学の侍していることも忘れて笑った。そのときもし彼が、八郎兵衛の面(おもて)を見つめている大学の鋭い表情に気づいたとしたら、たぶんそんな笑い方はしなかったに違いない。(同書、「松風の門」新潮文庫版p21)

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