読書ノート

仇兆鰲(きゅうちょうごう)杜詩詳注

2016年11月30日 水曜日 雪

下定雅弘・松原朗・編 杜甫全詩訳注 1/2/3 講談社学術文庫 2016年

杜甫全詩訳注(数十名の研究者による共同作業)
その杜甫の詩は難解であり、注釈なしでは読めないほどに典故を多用したものが多く、味読(みどく)するには、一般読者はもとより、研究者であっても訳注が必須である。しかし杜甫全詩の訳注は、日本では鈴木虎雄「杜少陵詩集」(1928-31年)の一書があるだけだった。鈴木以後、吉川幸次郎氏が全訳を志したが道半ばで逝去。目加田誠氏も宿願であったが断念している。

杜甫詩の標準的な解釈
清・仇兆鰲(きゅうちょうごう)『杜詩詳注』康熙四十二年・1703初刻。略称「詳注」を底本とし、訳注はこれに準拠する。(下定、同書、まえがき)

詳注は宋代以降のテキスト校勘・伝記研究の成果を吸収してテキストとして信頼性が高く、杜甫詩の標準的な解釈として今日なお安定した評価を得ている。

歴代の有力な異説や近年の杜甫研究の成果は、【語釈】あるいは【補説】の中で紹介し、訳注には杜甫研究の最新の成果を反映した。なおその場合も、書き下し文と現代語訳は詳注の解釈に従った。

杜甫詩の本文は、原則として活版本杜甫詳注(中華書局)に拠る。

鈴木虎雄の訳注は詳注を底本とするので、杜甫詩の排列は詳注と一致する。(同書、凡例、p18)

*****

補註
仇兆鰲(きゅうちょうごう)の「詳注」の原文は、「杜詩詳注- 中國哲學書電子化計劃維基」・・
http://ctext.org/wiki.pl?if=gb&res=450812 などのサイトで公開されている。
活版本のコピーも見ることができ、ページを繰るのもとてもスムーズである。http://ctext.org/library.pl?if=gb&res=5668

紙の本も亜東書店などのウェブサイトから購入することができる。・・・杜詩詳注 全5冊 中国古典文学基本叢書[唐]杜甫著/[清]仇兆鰲注/ 中華書局 2012年 2月 ISBN: 9787101004854 A5/2354p/繁体字 12,744円(8%税込)

本を集めたり、詳しく勉強したりすることもインターネットの時代になって、ずいぶんと楽になってきているようである。

*****

********************************************