2016年4月7日 木曜日 曇り
一海知義 漢詩一日一首 平凡社 1976年 p12
陶淵明
遊斜川
開歳倏五日,
吾生行歸休。
念之動中懷,
及辰爲茲游。
氣和天惟澄,
班坐依遠流。
弱湍馳文魴,
閒谷矯鳴鴎。
迥澤散游目,
緬然睇曾丘。
雖微九重秀,
顧瞻無匹儔。
提壺接賓侶,
引滿更獻酬。
未知從今去,
當復如此不。
中觴縱遙情,
忘彼千載憂。
且極今朝樂,
明日非所求。
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斜川(しゃせん)に遊ぶ (訓み下しは一海、同書、p12より)
歳開(あ)けて 倏(たちま)ち 五日
吾が生 行くゆく 歸休せんとす
之れを 念へば 中懷を 動(ゆる)がし
辰(とき)に及びて 茲(こ)の游(ゆう)を 爲す
氣は和して 天 惟(こ)れ 澄み
坐を班(わか)ちて 遠流に 依(よ)る
弱湍(じゃくたん) 文魴(ぶんぼう) 馳(は)せ
閒谷(かんこく) 鳴鴎(めいおう) 矯(あ)がる
迥(はる)かなる 澤に 游目を 散じ
緬然(めんぜん)として 曾丘(そうきゅう)を 睇(なが)む
九重(きゅうちょう)の秀(ひい)でたる 微(な)しと 雖(いえど)も
顧み瞻(み)れば 匹儔(たぐい) 無し
壺を 提(さ)げて 賓侶(ひんりょ)に接し
滿を引きて 更(こも)ごも 獻酬(けんしゅう)す
未だ知らず 今 從(よ)り 去りて
當(まさ)に復(ま)た 此くの如くなるべきや不(いな)やを
中觴(ちゅうしょう) 遙かなる情を 縱(ほしいまま)にし
彼の 千載の憂いを 忘れん
且(か)つは 今朝の樂(たの)しみを 極めよ
明日(みょうじつ)は 求むる所に非ず
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