Lさま
「果樹園芸大百科・ブドウp666-667」・・勉強していたら、ブドウの生理障害の項で「縮果病(日焼け病)」というのにいきあたりました。8月はじめに私たちのブドウ畑で見られたのは、この縮果病だったと思います。つまり、「やはり日焼けだった」とおっしゃっていたS農場長さんの見解が正しかったことになります。
「葉がまだ浸透圧の低い果実から水分を奪うために生じる。したがって直射日光が当たらない日陰の房にも、また袋かけした房にも発生する」(同書、p666)とのことです。直射日光に当たって「日焼け」が起こると私たちが考えていたのが間違いの原因でした。
また、同書に、「硬核期前30日、20日、10日の計3回、硼酸の0.3%液(1回目0.1%)を散布すると(防止対策として)効果が高く薬害がない」とあり、私たちが当該症状の対処法として(ホウ素欠乏症を疑って)ホウ素を液肥として葉面散布したことは、この縮果病の進行を抑える効果があった可能性が高いと思いました。「果実の水分不足 → 果実に相対的にホウ素の不足する状況 → 縮果病の症状の発現しやすい生理状況」 となっていて、ホウ素を外から補ってあげることで、「果実の水分不足 → 果実に相対的にホウ素の不足する状況 → この状況のときにホウ素を補うと → 縮果病の症状の発現しにくい生理状況」 という治療効果が得られた可能性があります。もしそうであれば、私たちの診断見解も部分的には正しかったことになります。
ただし、今年は7月の日照りの終わった後は、8月の後半ごろから雨が多かったので、日焼け病が8月中旬以降は進行しなかっただけかもしれません。もしそうなら、私たちのホウ素液肥散布は役立たなかったことになります。
判定する手段はありませんが、いずれにしても、来年からは、もし7月(硬核期前)に日照りが続くようであれば、「硬核期前30日、20日、10日の計3回、硼酸の0.3%液(1回目0.1%)を散布する」ことにすれば「予防」できそうですね。
以上、モヤモヤ解決しなかった問題がクリアできたような気がします。Lさまにもご報告申し上げます。
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