philosophy

道徳や良心の発生の在り処を、あくまでも、人と人とが日常的に交流しあう場所に求める。

2024年2月19日 月曜日 曇り

小浜逸郎 倫理の起源 ポット出版プラス 2019年

・・ 私たちは今後、プラトンの打った大博奕に引っかからないようにしなくてはならない。私たちは、現世的なもの、すなわち、オイコノミア(生活維持のための現実的な配慮)、エロス的な躍動、ミューズ的な感動、現実的な共同関係と実存といったものに対する蔑視や無視に対して、あらゆる場面で抵抗しなくてはならない。それは、おそらく、既成の哲学言語に対する破壊行為を不可欠とするだろう。また、その抵抗は、「真理」を確定しようとする情熱によってではなく、たえず流動して止まないこの生と言葉とが織りなす「物語性」にどこまでも付き添う情熱によってなされるだろう。

 さしあたり本書のテーマである倫理学に即して言えば、道徳や良心の発生の在り処を、ハイデガーのように孤独な「本来性」などに置くのではなく、あくまでも、人と人とが日常的に交流しあう場所に求めるのでなくてはならない。(小浜、同書、p169-171)

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