・・女性に限ったことではないけれども、「保護したい」という心理は、「庇護されたい」という心理の裏返しであるばあいが多い。 ・・・(中略)・・・純粋に献身的な愛であっても、なにかの意味で酬われるものが無ければ、その愛は傷つかずにはいない。夏子のようにひたむきで強い性質の者は、そういうばい傷つきかたも深く大きいのが常だ。 ーー危険だ、どうも危険だ。 山木はひそかにそう思い、しかしさすがに口には出せずにいたのであった。(山本周五郎、火の杯、角川文庫版 p359-360)
**
*****
*********************************
