biology

背中で歩いたらハナムグリやカナブンの幼虫

2016年10月11日 火曜日 晴れ

森昭彦 身近なムシのビックリ新常識100 いもむしが日本を救う? めったに見つからないカブトムシ? サイエンス・アイ新書 ソフトバンク・クリエイティブ 2008年

カナブン? それともコガネムシ?

カナブン、ハナムグリ: これらの種族は無害もしくは有益であること。子供時代は土の中で過ごし、腐葉土を分解する仕事に励んでいる。
本物のコガネムシ: カナブンよりふた回りも小さいが、その色彩は贅をきわめ、・・ゴージャスな輝きに満ちている。・・栽培植物に団体でやってきて、葉っぱを穴だらけにする。幼虫も同様で、大切な植物の根っこをかじっては枯らすという悪行三昧。

・・庭先で見つけたときは、ある実験を試して欲しい。それを地面に転がしたとき、仰向けになり、背中でへこへこと歩きだすものがいる。ハナムグリかカナブンの仲間で、腐葉土を分解して植物の栄養吸収を助けている。そっと戻して仕事に励んでもらうのが吉。

地面に転がして、普通にあるいたら「コガネムシ」の幼虫(根っこをかじる)。背中で歩きだしたら、土を耕すハナムグリの幼虫(益虫)。(森、同書、p134)

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補注 カナブン・ハナムグリの仲間が畑仕事の「益虫」であることは、この本を読んで初めて知った。次回、幼虫を見つけたときは、地面に転がして、コガネムシとの判別を試みたい。

補注の補注 益虫と害虫に分けることは、畑仕事をやっている時とハイキングの遊山の最中とでは基準が異なり、いわゆるダブルスタンダードである。研究が進めば、害虫と思われていたものが実は益虫だったというような180度の転換がまま起こるだろう。にもかかわらず、通常の畑仕事では便宜上、益虫を扶けたり助け、害虫を懲らしめたりやっつけたり、という営みは心ならずも避けられない。たとえば、我が圃場でも葉っぱを食べるマメコガネは害虫である。完全には見すごすことができない。すなわち、苗の根元や、堆肥や落ち葉積みの下などでコガネムシの幼虫らしきものを見つけた時は、上記の判別を試みてみたいと思う所以である。

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