2024年3月25日 月曜日 快晴
ドストエフスキー 悪霊 亀山郁夫訳 光文社古典新訳文庫 2011年
「・・そう、克服できないなんて信じこまないことです! (中略) この形式だって(と言って彼⦅=チーホン神父⦆は文書を指した)克服できるんですから。ただしそれは、誹謗や罵声を心の底から受け入れることができれば、の話ですがね。もしも、その偉業をおこなう謙虚さが真摯なものならば、どんなに不名誉な十字架も、最後はつねに、偉大な栄光、偉大な力となったのです。ひょっとして、あなたが生きておられるあいだでさえ慰めが得られるのかもしれません!・・・」(ドストエフスキー 悪霊 同訳書2、p594-595)
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・・ぼく(=ステパン・ヴェルホヴェンスキー氏)はね、民衆を愛しているんです、これは不可欠なことです、でも、これまでその民衆っていうのを、いちどだって間近に見たことがなかったような気がしているんです。手伝いのナスターシヤは・・彼女ももちろん正真正銘の民衆の出でした・・でも、ほんものの民衆っていうのは。(ドストエフスキー 悪霊 同訳書3、p451)
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・・人間はだれでもすべて、偉大な思想を体現するものの前でひれ伏すことが必要なのです。どんなに愚かな人間にも、何かしら偉大なものが不可欠です。ペトルーシャ・・ああ、あの連中全員とまた顔を合わせたい! あの連中は知らずにいる、知らずにいるんです、彼らのなかにも、ひとしく永遠で偉大な思想が宿っているということをね」(ドストエフスキー 悪霊 同訳書3、p500)
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