literature & arts

苦心惨憺、懊悩の結晶ともいうべき貴重な俺の絵。筆と絵の具とではなく、まさに神経と血とで描かれた俺の絵。

2024年2月23日 金曜日 曇り(明るい)

 ・・苦心惨憺、懊悩の結晶ともいうべき貴重な俺の絵、筆と絵の具とではなく、まさに神経と血とで描かれた俺の絵・・(中略)・・同時に、昂奮も、眠られぬ夜々も、悲嘆も、歓喜も、誘惑も、失望も持ち去られてしまうのだ。するとお前はまた群衆の中にひとりぼっちとなり、・・・(中略)・・・お前はこんなことをしてどうしようというのか、どこを目ざして行こうというのか? (ガルシン、『画家たち(オリジナルは1779年9月)』、中村訳・全集、p113)

ガルシンの死の直後、親友レーピンが哀悼をこめて描いた『画家たち』の挿絵(1888年)

ガルシンの死の直後、親友レーピンが哀悼をこめて描いた『画家たち』の挿絵(1888年)

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/48/Garshin_by_Repin_1883.jpg

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/48/Garshin_by_Repin_1883.jpg ガルシン(レーピン筆 1883年)

**

*****

ヴォルガの舟曳き』(1870年 – 1873年) ロシア美術館

ジェードフーーそこで僕の意見を言えば ・・だいたい、芸術におけるこの百姓臭い領分はーー完全な奇型である。レーピンの評判倒れの「船曳人足」にしても、あんなものがだれに必要だというんだ? みごとに描けていることはたしかだ、だが、ただそれでけのことじゃないか。あの絵のどこに、美や、調和や、優雅さがあるというのだ。しかも芸術とは、自然界の優雅なものを再現するためにこそ存在しているのではないか。(ガルシン『画家たち』、同書、p118)

**

*****

*********************************

RELATED POST