まちかど紀行

ルピナスと桑の実

 

2010年6月16日

 

この時期になると季節の進み方が速い。次から次へと進んで、書き留めておくよりも速く季節が通り過ぎてゆく。ナナカマドの花はとうに散って、今では緑の実になっている。

梅の実もかわいい。

梨ではなくて桜だった、と思っているうちに、枝いっぱいにサクランボの実。ただし今はまだ緑色。

比較的に花の季節が長いと思われるのは、オダマキの花たちだ。園芸種の花火のような花弁をもつものまで含めると、色も形もさまざまで面白い。ずいぶん長いこと楽しませてくれる。

 

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都忘れの花も今頃咲くようだ。ただし、確か、秋まで四季咲きで咲くものもあったように思う。残念ながら、もとの色はもっと深い紫色。私のデジタルカメラ(いわゆるコンデジ)では液晶モニターで見ても残念、と思われるほど青色に見えたが、写したものをコンピュータで見てもほぼ同じ。JPEG撮影の限界かもしれない。

ただこの紫の都忘れのすぐ隣には、ほぼここに写っているのと同じ色をした都忘れの別の一株が咲いており、まるでそちらを写したよう。で、そちらも写してみたが、こんどはもっと淡い空色に写ってしまった。

北海道の夏には高山植物系の紫や青の鮮やかな花が多い。最近の一眼レフ(たとえばニコンのD200など)ではJPEG撮影でもこれらの色をかなり忠実に再現できるようになっていて感心する。残念ながら、コンデジではまだ難しいようだ。あるいはそれなりに調整が必要そうだ。(新しい機種も欲しくなってしまう原動力にもなってしまう。)

 

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さて、下の写真は桑の実を写したつもり。

 

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写そうと思うと風が吹いてきて、なかなか留まってくれない。よって、アップでちゃんとした接写写真をとることが難しい。全体を撮っておいて後で切り出してシャープな写真に加工してみようかと思ったけれど、やはり、風が吹いていれば、局所も当然ピンぼけ(被写体ブレ)。

それはともかく、3月に高雄を訪れたときは、諸処の街かどに桑の木が茂っていて、赤や黒の実をいっぱい成らせていた。ほかにも熱帯の果物は多くて、桑に大きな価値はないと思われるが、ひとつもいで口に入れると、故郷の秋に食べた桑の実よりもずっと甘くて美味しいような気がした。

こちら北緯43度の札幌では今頃ようやく桑の実がいろを持ち始めるようだ。どんな花が咲いていたか? 残念ながら、記憶にない。この木の前を毎日のように通り過ぎながら、明確に観察できなかったのは修練不足である。来シーズンの宿題?

 

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ルピナスの花は端正な登り藤タイプ。昔、種を買って蒔いてみたことがあるけれど、一袋に20個も入っておらず、しかも発芽率も悪くてがっかりした。マメ科の直根なので、苗の移植は難しいという。それで種で蒔いたのだけれど、なかなか一袋では花壇が作れそうにない。それでも一旦生えてきた苗はとても丈夫な宿年草。二年目からは花を咲かせて毎年楽しませてくれた。自分で種を蒔いたりしなくても、荒れ地にも生えている。美術館の裏山に自生?していたりする。この季節に元気よく旺盛に伸びて、とても整った容姿に美しい花を咲かせる。

さあ、今週は恐らくジャーマンアイリスのハイシーズン。(占冠では札幌よりもさらに10日ほど遅れて咲く。)本州では少しひんやりとした山合の農家のお庭などで大きな美しいお花を見せていただいた経験がある。こちら、北国では街路樹のふもとに頑強に根を伸ばして大きな株に成長する。毎年この季節、豪華な花を咲かせてくれるとても丈夫な宿根草である。

 

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こんな豪華な花たちが次から次へと咲いてくれるのが、この季節の札幌の小道の楽しく贅沢なところである。今年の花を楽しんだ後は、せめて来年の花だけは見てからでないと(札幌を)去れないと思うのである。すなわち、いつまでも立ち去りがたい気持ちになるのだ。

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以上、2010年6月16日付けWEBページより再掲

 

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