2025年7月5日 土曜日 快晴・暑い
太宰治全集 7 お伽草紙 ちくま文庫 (昭和20年10月刊)
・・あのかたは、何も孤独じゃありませんよ。平気なものです。野心があるから、孤独なんて事を気に病むので、他の世界の事なんかてんで問題にしてなかったら、百年千年ひとりでいたって楽なものです。それこそ、れいの批評が気にならない者にとってはね。(太宰治、浦島さん、同書 p371)
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・・しっかりしてください。ここが竜宮なんです。ほかにどこも、ご案内したいようなところもありません。まあ、ここで、お好きなようにして遊んでいるのですね。これだけじゃ、不足なんですか。(同上、同書p372)
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「・・これは、海の桜桃です。これを食べると三百年間、老いることが無いのです。」「・・私はどうも、老醜というものがきらいでね。死ぬのは、そんなにこわくもないけれど、どうも老醜だけは私の趣味に合わない。もっと、食べてみようかしら」(太宰、浦島さん、同書p367)
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