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その朝が来るなら 私達はその朝にむかって生きよう

2015年11月30日 晴れ

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宮崎駿 風の谷のナウシカ7 アニメージュコミックスワイド版 徳間書店 1994年

<以下引用>

ナウシカ: 私達の生命は 私達のものだ 生命は生命の 力で生きている
 その朝が 来るなら 私達はその朝に むかって 生きよう
 私達は 血を吐きつつ くり返し くり返し その朝を こえて とぶ鳥だ!!
 生きることは 変わることだ 王虫(オーム)も粘菌も 草木も 人間も 変わっていくだろう 腐海も共に 生きるだろう
 だがお前は 変われない 組みこまれた予定があるだけだ 死を否定しているから・・・

道化(墓の主が憑依): あの時代 どれほどの 憎悪と絶望が世界をみたしていたかを 想像したことがあるかな?
 数百億の人間が 生き残るために どんなことでもする世界だ
 有毒の大気 凶暴な太陽光 枯渇した大地 次々と生まれる新しい病気 おびただしい死
 ありとあらゆる宗教 ありとあらゆる正義 ありとあらゆる利害 調停のために 神まで造ってしまった 
 とるべき道は いくつもなかったのだよ
 時間がなかった 私達は すべてを未来に たくすことにした・・・(中略)・・・

ナウシカ: 神というわけだ お前は千年の昔 沢山つくられた 神の中のひとつなんだ
 そして千年の間に 肉腫と汚物だらけになってしまった
 絶望の時代に 理想と使命感からお前がつくられたことは 疑わない
 その人達は なぜ気づかなかったのだろう 清浄と汚濁こそ 生命だということに
 苦しみや悲劇や おろかさは 清浄な世界でもなくなりはしない それは人間の一部だから・・・ だからこそ 苦界にあっても 喜びやかがやきも またあるのに
 あわれな ヒドラ お前だって いきものなのに
 浄化の神として つくられたために 生きるとは何か 知ることもなく 最もみにくい者になってしまった

<以上、宮崎駿 風の谷のナウシカ7 p198-200 引用終わり>

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