白川静 中国古代の文化 講談社学術文庫 1979年
文字と古代文化: 存在と真
ことばや文字から、意味論的に思索を展開するという方法は、いまではあまり歓迎されないことである。それは国家主義的な思想が横行した時代の、不快な記憶を蘇らせることがあるからであろう。しかしじつは、ことばや文字をはなれて、思索はありえない。ことに、もしことばの起源的な、本来の意味が確かめられるものがあるとすれば、思索はむしろそこから出発すべきものである。文字の背景にあるものは、そのような古代的思索の方法にも連なるのである。(白川、同書、p254)
*****
**********