加地伸行 家族の思想(つづき)
2017年11月6日 月曜日 晴れ
加地伸行 家族の思想 儒教的死生観の果実 PHP新書 1998年
複雑になった現代と異なり、かつての時代では、文化(生きかた)と文明(技術)とが、ほぼ重なっていた。その文明も、どこでも農業をしていた時代では、農業技術にそんなに差はなかったのである。ところが、蒸気機関車に始まり欧米工業技術が先進的に発展してから、様相が一変する。機械文明(欧米文明)が文明の基準になってしまい、文明の差ができてしまった。そこで人々は錯覚を起こした。高い文明(技術)を持っている地域はその文化(生きかた)もまた高い、と。
完全な錯覚である。たとえば・・・・・(中略)・・・
・・けれども大部分の日本人は、文化まで変えようとは思わなかった。文化とは生きかたなのであるから、そう簡単に変えることができるものではない。(加地、同書、p102)
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