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Hawking History of Time

Stephen Hawking and Leonard Mlodinow, A Briefer History of Time, Bantam Press, 2008

AUDIOBOOK A Briefer History of Time UNABRIDGED
By Stephen Hawking, Leonard Mlodinow
Narrated By Erik Davies 4 hrs and 21 mins

2015年2月10日 晴れ 昨日の夜から一日かけて、オーディオブックを聴きながら読了。

この本では、ひも理論や時間旅行の話なども短く上手に語られている。先日紹介したタイムパラドックスに関してもスタンダードな解説がなされている。

ホーキング氏も宇宙の法則、それを作ったもの creator 創造者、その他擬人的な使い方も含めて神 God という言葉を多用している。アインシュタインの有名なことば ‘God does not play dice with the universe’ も引用されている。ホーキングさんのウェブページで (http://www.hawking.org.uk/does-god-play-dice.html) Stephen Hawking ‘Does God play Dice?’ というページが掲載されており、ホーキング氏もほぼ同様の God という言葉の使い方を好む物理学者であることがみてとれる。

以下はこの小さな素敵な物理本に対するちょっとした苦情。

1.朗読がやや棒読みに近い。物理学本なので、あまり朗々と感情豊かに読む必要はないかもしれないが、もう少し気持ちを込めてメリハリの効いた読みはできないものか。

2.数式の出てこない物理学本。この手の本は読めば読むほど謎が深まる感じ。どうしてこういう不思議なことが理論づけられたかが解説されないで答えや結論だけが示されてしまう。そうなると、信じるか信じないかの読書領域に踏み込んでしまいそうで、私は思わず身を引いてしまう。この本の内容ぐらいのところは既に概略は読んでしまっているので、私としては、今はむしろ less brief な解説をじっくり聴いてみたいところだ。

3.ドーキンス本のところでも述べたが、物理学者が GOD という言葉を本来の意味と違った意味で使うのは困る。人格神を信じている人たちをはじめ多くの人びとにさまざまな混乱を与える用語法になっているからだ。ホーキング本では、God という言葉を使った擬人的な表現が、文章を簡潔に引き締め、人びとに理解されやすいものにしているのは確かである。しかし、これからの物理学者は、このような慣用的な神言葉の使い方に安易に頼ることなく、より簡潔で美しい物理学の言葉で語ってゆくことになろう。

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これからは数式の出てくる物理学もしっかりと勉強して、ホーキング本のここの記載が素晴らしく要領を得ている、などという賛辞を贈れるまでに生長したいものと思う。

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