literature & arts

春陰 野に垂れて 草 青青

2016年6月17日 金曜日 雨

一海知義 漢詩一日一首 平凡社 1976年 p84

(蘇舜欽の)豪気にして繊細と評された詩風(一海、同書、p205)

淮中晩泊犢頭   淮(わい)の中にて晩(くれ)に犢頭(とくとう)に泊(やど)る  蘇舜欽

春陰垂野草青青  春陰 野に垂れて 草 青青
時有幽花一樹明  時に幽花ありて 一樹 明るし
晩泊孤舟古祠下  晩(くれ)に孤舟を泊(はく)す 古祠(こし)の下(もと)
滿川風雨看潮生  川に滿つる風雨に 潮の生ずるを看る

やがて川面いっぱいに、雨まじりの風が吹きつけ、それにつれて潮のさしのぼってくるのを、私は看ていた。 

この詩には、暗さの反面に明るさが、繊細さの反面に力強さがある。(以上、一海、同書、p85)

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