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チャペック 絶対製造工場

2016年12月17日 土曜日 曇り 最高気温の予想はマイナス3度C、寒い

チャペック、カレル 絶対製造工場 飯島周訳 平凡社ライブラリー 2010年(オリジナルは1921-22年「人民新聞」に連載、1926年版の単行本には著者によるまえがきが追加されている)

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あなた方、後生だから、教会が神をこの世に置くなどと考えないでください! 教会は神をただ重んじ、規制するだけです。そして不信心者の皆さん、あなた方は神をまるで洪水のように解き放とうとする。(チャペック、同書、p57)

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絶対は二つの方法で出現することを決定したのだ・・・一つはいくぶん伝統的に、もう一つはまぎれもなく現代的に。 用いられはじめた伝統的方法は、すでにご存じの通り、宗教的なものであった。・・・(中略)・・・ 「自由な絶対」の第二の存在証明は、まったく新しい何かをもたらした。かつて世界の創造に従事した「無限のエネルギー」はーーー明らかに状況の変化を考慮してーーー製造に突き進んだ。創造したのではない。その代わりに製造したのである。純粋な創造の代わりに器械と向かい合った。「無限の労働力」となったのだ。(チャペック、同書、p134)

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この神は無限だ。そこに災難の種がある。・・人それぞれがこの神について自分勝手に2,3メートル分測って自分のものにし、そしてそれが神全体だと考えている。こんな小さな総(ふさ)の部分とか切れっ端を自分のものにして、神全体を所有していると考えている。(同書、p248-9)

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いかなる真理も誰かと争って勝ち取られるものじゃない。(同書、p273)

誰かが持つ信仰が大きければ大きいほど、その分だけ、それを信仰しない人たちを激しく軽蔑するようになる。とはいうものの、最大の信仰は人間への信仰だろうな。・・・(中略)・・・ この世は悪くなるだろうね。人が人を信じようとしない限り。(同書、p274)

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