literature & arts

梅苗の定植と、西行の見た凜とした白梅の花

2019年5月3日 金曜日 晴れ


雨の翌日。5月1日のリンゴ苗植樹に続いて、今日はスモモやウメ(南高梅)の定植を行った。お昼前からは石灰硫黄合剤をブドウ苗に散布。夕方昏くなってくるまで続けて、残すところ1列半(〜160本ほど)となった。明日はブドウ新植の予定地へ土壌改良材や肥料の散布を行う予定だ。


**


辻邦生 西行花伝 新潮社 1995年(オリジナルは雑誌「新潮」1991年〜1993年に連載された)


 夜明け、ひどく喉が渇いて目が覚めた。私は釜殿まで出て井戸から水を汲んだ。外はすでに明るく淡い霧が出ていた。その時、鶯の声が聞こえた。軒端から覗くと、白梅が鋭く差し交わす枝に清らかな花を咲かせていた。  私は息を呑んでそこに立ちつくした。 それは春ごとに咲くただの白梅であった。しかしその瞬間の私には、いつもの梅と違うもの、梅という名前さえ持たないものに思えた。それほど、その梅は、異様に清らかに見えた。冷たい朝の空気の中で、花は高貴な、香しい、凜とした白さであり、地上のすべてから抜き出た気品のなかに、清雅に、簡素に匂っていた。・・そこにあるのは、凜とした白梅の花だけだった。私が梅を見ているのではなく、梅の花が私を包んでいた。私のまわりには梅の花しかなかった。 (辻、同書、p119)


**

待賢門院璋子


*****


********************************************