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日本人に謝りたい: 日本歴史の真の構築を阻む跛行性

2022年3月27日 日曜日 快晴

モルデカイ・モーゼ著 久保田政男訳 あるユダヤ人の懺悔 日本人に謝りたい 復刻版2021年4月刊(オリジナルは1979年)復刻者は沢口企画の沢口祐司氏自費出版

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補註: すでに50年ほども前になろうか、イザヤ・ベンダサン『日本人とユダヤ人』を買って読んだことがある。今回ご紹介する本は、読み始めたときからして、イザヤ・ベンダサン氏(〜山本七平氏)の『日本人とユダヤ人』と同じ様な筆致を感じた。日本の人か日本語に極めて堪能なバイリンガルが書いたに違いないとすぐにわかる、つまり原文があってそれから飜訳した本とはとても感じられない筆致なのである。すなわち、日本人の仮想著者(モルデカイ・モーゼ氏〜久保田政男氏)の著述と推量される。また、ウィキペディアにもモルデカイ・モーゼで検索すると「日本における反ユダヤ主義」の項目に跳んで、<以下引用>「ユダヤ人成りすましと出版1979年、『日本人に謝りたいあるユダヤ人の懺悔』という本が出版された。本の著者モルデカイ・モーゼ(ラビと称された)とは、実際にはこの本の翻訳者である久保田政男の仮名だった。仮名が発覚して以降、久保田は自分の名前でフリーメイソンやロックフェラーなど・・を扱った本を刊行した。久保田はまた、・・広島市に原子爆弾・・を投下した「エノラ・ゲイ(Enola Gay)」とはイディッシュ語で「天皇を殺す」という意味だと・・著書で主張した。」<以上、引用終わり>と記載されている。今回の私が発見するまでもなく、40年以上の昔からいわゆる「偽書」に分類される経歴の本である。

なお、本書で引用される「バリニッシュ・レヴィーのマルクスに宛てた手紙の一部」も、フランスの雑誌に載っていたいわゆる偽書と思われる。久保田氏も参照されたかと思われる『Protocols of the Elders of Zion』は有名な歴史ある定番の偽書である。

さて、偽書であるからといって価値がないわけではなく、また対象がユダヤに関連するからといって一様に「反ユダヤ主義」のレッテルを貼ってタブーとして封印封殺する必要もない。私たちは歴史を勉強しながら、批判的にさまざまな意見や歴史見解や仮説に耳を傾け、事実は採用し荒唐無稽なものは棄却し、最終的には「歴史に学ぶ」生き方考え方をしていければ賢いと考える次第である。

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ユダヤ人は、福祉ということはあまり考えない。これは家族制度のアンチテーゼだからである。福祉とはただ食わせるだけといえるかも知れない。・・然るに家族制度の枠内の老人は子の成長、孫の成長を楽しむという生き甲斐をもつことができる。どちらがいいかは、議論の外であろう。(同書、p41)

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・・戦後の日本の混乱に最大の責任があるのはマルクス主義である。・・マルクス主義とは単なる「革命理論」ではない・・。マルクス主義の戦後における影響の最たるものは、・・戦後の病理、虚妄性、日本歴史の真の構築を阻む跛行性をつくり出したということにあるといわねばならない。 これらを具体的にいうと、国家・民族意識、愛国心の去勢、道徳観の失墜、拝金主義の培養、家族制度の崩壊、その他、戦前の日本が世界に誇った冠絶した長所を失墜せしめたことにあろう。 マルクス主義はこの病理の精神的支柱となっているのである。これは根拠のないことではない。何故ならば、日本共産党は戦前の日本の長所をすべて「絶対悪」として否定するものである。そして、日本共産党はマルクス主義を唯一絶対の世界観として信奉する政党である。

戦後の病理のすべてがマルクス主義と密接な関係があることはわかったが、これらはただ単に散在していただけではこれほどの影響を及ぼせたかどうか疑わしい。それにはやはりこれらをひとまとめにパックして、しかも日本国民に強制する力をもった何ものかがなければならない。それがアメリカ占領軍中のニューディール派であり、その所産である日本国憲法とその擁護者としての日本共産党なのである。(モルデカイ・モーゼ、同書、p157-158)

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2022年3月28日 月曜日 曇り(雪解け進む。札幌の歩道ではすっかり雪が解けて、冬靴が必要なくなってきた。)


モルデカイ・モーゼ著 久保田政男訳 あるユダヤ人の懺悔 日本人に謝りたい 復刻版2021年4月刊(オリジナルは1979年)復刻者は沢口企画の沢口祐司氏自費出版

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宗教的呪縛力こそマルクス主義の本質

短絡的なマルクス主義の論理的飛躍は、本来なら日本のインテリ層が見ぬけないはずはないと思う。しかるに何故、そのような論理的飛躍があるにもかかわらず、これだけの信者を集められるのかという問題である。

これは宗教的呪縛力としか説明できない性質のものである。マルクス主義の真の素顔は宗教ということである。日本共産党の態度を見ればこのことはすぐ分かると思う。科学といいながら、実際は決して経験科学の実証を受け入れようとしない態度がしばしば見受けられよう。

さてここで、共産主義者のいう、科学的社会主義の「科学」という形容詞がどこから出たかということである。・・これは、レヴィーらの熱烈な民族主義グループが宣伝のため吹聴したものである。唯物史観のいう「社会の必然的な発展法則」ということを強調するためである。人間の意識から独立した物質的、客観的条件により歴史は動かされる。しかも一定の法則に従って一定の方向性をもって動くと、これを弁証法的唯物論を社会へ応用した唯物史観であると宣伝しているわけである。虚構の大きさ故に、かえって多くの人々は自己陶酔に陥るのであろう。アカデミックな真摯な態度と宗教的呪縛力の奇妙な混合といえよう。(モルデカイ・モーゼ、同書、p166-167)

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マルクス主義の成立過程:マルクス主義の源流(同書、p161〜)

・・現実には、マルクスにかくかくしかじかの虚構理論の構築を依頼した注文主がいるのである。この注文主がマルクスに送った手紙、発注書ともいうべきものが第二次大戦前に世に出たのである。・・発注者のユダヤ人バリニッシュ・レヴィーのマルクスに宛てた手紙の一部(補註#)である。

「メシアは団結せるユダヤそれ自身である。宇宙の支配は他人種の統一に、各個独立主義の城壁たる国境及び君主国の廃止と、ユダヤ人に対し随所に市民的権利を認むる世界共和国の建設によって保たれるであろう。全然同一種族でかつ全く同一の伝統的陶冶を受けているいすイスラエルの子孫、しかも特殊国家を形成していないイスラエルの子孫は、爾後地球の全表面に拡がりこの新しい人類社会の組織の裡に到るところ何らの抵抗なく指導要因となるであろう。殊に彼らの中のある学者の賢実なる指導を労働大衆に課するに至ったならば尚更のことである。世界共和国を建設したならば、国家の統治権は無産者の勝利によって何らの努力を要せずしてイスラエル人の手に移る。ここにおいて私有権は至るところ公共財産を管理するユダヤ人の支配によって廃止せらるるに至るべく、かくてメシアの時代の到来せる時、ユダヤ人は全世界の人民の財産をその鍵の下に掌握すべしというユダヤ伝統の約束は実現せらるるものと信ずる」(同書、p162)

補註#: 「バリニッシュ・レヴィーのマルクスに宛てた手紙の一部」: ウィキペディアなどを検索しても、レヴィー氏は見つからない。綴りは Baruch Levy のようである。以下のように、Q&Aで a hoax (ウイズダム英和辞典で・・虚偽の警告、警報、いたずら)であろう、というコメントがひとつ見つかっただけであった。Protocols of the Elders of Zion.と類似。 「a reactionary, right-wing French magazine」とあるが、詳細がわかればいずれ照会したい。取りあえず、現在、補註者としては、この本の出版された1979年の時点での一つの作業仮説として捉えておきたい。なお、『Protocols of the Elders of Zion』については、大昔に読んだ。今も私の書庫の中にあるはずなので、追って紹介したい。

<以下引用>

https://www.quora.com/Is-Baruch-Levys-letter-to-Karl-Marx-a-hoax-The-letter-discusses-a-plan-very-similar-to-that-in-Protocols-of-the-Elders-of-Zion より<以下引用>Is Baruch Levy’s letter to Karl Marx a hoax? The letter discusses a plan very similar to that in Protocols of the Elders of Zion.
Doug Reade, Lean Six Sigma Black Belt Answered 1 year ago · Author has 942 answers and 665.2K answer views

It does indeed appear to be a hoax. There is no verification that ‘Baruch Levy’ ever existed, or the existence of the letter, except as quoted in a reactionary, right-wing French magazine, nor does the letter appear in any of Marx’ papers. It is possible Marx destroyed the letter upon receipt, but if so, then how did the French magazine get ahold of it? In short, there is no evidence of it being valid, and considerable evidence for it being a hoax.  https://zionism-israel.com/fake_zionist_quotes.htm

<以上、引用終わり>  https://www.quora.com/Is-Baruch-Levys-letter-to-Karl-Marx-a-hoax-The-letter-discusses-a-plan-very-similar-to-that-in-Protocols-of-the-Elders-of-Zion より引用終わり。

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