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穂積忠彦 ほろ酔いの美学

2019年9月18日 水曜日 晴れ


穂積忠彦 ほろ酔いの美学 健友館 1981年


燗酒の美学清酒のおいしい季節には、ぜひとも上等な清酒を上手なお燗で味わいたい。上等な清酒ほど「燗」の温度に敏感である。「人肌」の温度が望ましい。だが、この温度が実に容易でない。・・摂氏「三八〜三九度」のわずか体温より高いくらいのところが「人肌燗」である。  私は温度計を銚子の中にさし込み、目盛りとにらめっこしながら、人肌燗の清酒を楽しむ。これだけは他人にまかせられない。  酒は「人肌燗」「ぬる燗」「上燗」「熱燗」と続いてゆく。「ぬる燗」は摂氏四二度前後のお風呂の温度。「上燗」は四五度、「熱燗」は五〇度というところが目安である。  冬の寒い夜「熱燗」も捨てがたいが、品質の悪い清酒の味をごまかすのに「熱燗」は都合がいい。(穂積、同書、p14)


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