biology

ダーウィンが『種の起源』で用いた方法論は仮説演繹(hypothetico deductive)とよばれるものだ。

2025年3月15日 土曜日 曇り

北村雄一 ダーウィン「種の起源」を読む 化学同人 2009年

ダーウィンが『種の起源』で用いた方法論は厳密にいえばこういう帰納ではなかった。また演繹でもなかった。それは仮説演繹(hypothetico deductive)とよばれるものだ。物事を説明できる仮説Aを思いついた→仮説Aが正しければ現象Xが観測されると予測できる→現象Xが予測どおりに観察できれば仮説Aは正しいと考えることができる。そういう方法論である。・・『種の起源』はこうした仮説演繹の方法論で満ちあふれている。メンデルの研究手法もこれと同じだといえよう。(北村、同書、p118-119)

(中略)

 ・・仮説Aから必然的な予測Xを導きだすためには演繹なり論理なりが必要となる。

 (中略)

 ・・しかし、現実から法則を引きだすのは演繹ではなく帰納である。論理、論理といって現実から目を背ける人びとの姿勢は、詳細な観察から経験的な事実を取りだし、それを理路整然と組み上げて予測を導き、されにそれを検証してみせたダーウィンとは対照的である。(北村、同書、p119)

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