2024年12月15日 日曜日 晴れ
上の地図はウィキメディアから引用(古代のイスラエル王国・ユダ王国の地図とのこと)
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紀元前9~7世紀におけるオリエント世界と、アッシリア帝国の版図(ウィキメディアから引用)
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シリアの地図ウィキペディア241215
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以下、田中宇さんの記事から引用:
今後のシリアとイスラエル2024年12月12日 田中 宇 |
https://tanakanews.com/241212syria.htm
さらに考えると、今後のシリアが敵味方どちらになるのか、イスラエルの上層部は知っているのでないかとも思える。
今回のイスラエルのシリア大規模空爆と侵攻に対し、シリアの新政権になったHTSは、何の反応もしていない。侵攻を黙認している。
アサド政権はイスラエルと敵対していた。HTSもアルカイダ系なので(もともと)イスラエル敵視なはずだ。
(Operation ‘Bashan Arrow’: IDF destroys over 350 Syrian Military targets)
ふつうに考えれば、HTSのシリア暫定政府は、イスラエルの侵攻や空爆、ゴラン高原不返還の宣言に対し、即座に非難する声明を出すはずだ。ダマスカス近郊でHTSとイスラエル軍が交戦、などという展開がむしろ当然だった。だが実際には、HTSはイスラエルの侵攻を黙認した。
HTSは、かつてのイスラエル敵視をこっそり捨て去り、今はもうイスラエル敵視でないと考えられる。HTSは、イスラエルを敵視しないだけでなく、イスラエルと事前に密通し、軍備や諜報の面で支援してもらって今回の政権転覆を実現した可能性がある。
(Iranian ambassador to Syria blames Israel for Assad’s fall)
(中略)
HTSは元アルカイダだが、アルカイダの発祥は、1980年代のアフガニスタンでソ連の占領軍と戦うイスラム主義のパキスタンやアラブの民兵団(聖戦士)で、彼らは最初からCIAなど米諜報界によって組織され、支援されていた。(中略)
こうした経緯を見ると、米諜報界のリクード系が、シリア内戦の負け組としてトルコ当局の傘下・監視下のイドリブで蟄居していたアルカイダ系のHTSを、イスラエルの傀儡勢力として「再雇用」し、イランが引っ込んだ直後のシリアに再侵攻してアサドを倒し、シリアをイスラエル傀儡の国に転換する策をやっても、何の不思議もない。
アサド政権を倒した後、イスラエル軍がシリアに残っている兵器類をすべて破壊するのは、事前に計画されたシナリオだったと考えられる。シリアは軍事的に弱い、イスラエル米トルコの傀儡国として再出発する。
(Israel is reshaping the Middle East as Assad regime crumbles)
(中略)イスラエルが中東で尊重されるには、軍事力でイランを排除した後のこれからのシリアを安定させるのが良い。今後のシリアが安定すれば、トランプもサウジもトルコも中露も満足する。イランやイラクも文句を言いにくくなる。
そう考えると、イスラエル傀儡のHTSは、今後のシリアを、従来のISアルカイダ型の残忍な政治体制にせず、内戦状態を再燃させず、国内諸派が協調して安定していく体制にすると予測される。
<以上、引用終わり>
補註: 田中宇さんの現状分析と予測の記事から引用させていただいた。2011年以来持ちこたえてきていたアサド政権が、この時期に崩壊。アサド大統領はロシアに亡命。大きな「軍事大国」として知られていたシリアだが、今回はほとんど戦いが続くことなく、大統領の亡命と新暫定政権開始となった。そしてイスラエル軍がシリアに残っている兵器類をすべてミサイルによって破壊。新政権もイスラエルと戦わない。・・受動的には何の有益な情報も入手することのできない私たちにとって、中東の現在の事態を理解するのは非常に難しい状況である。補註終わり。
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補註: ウィキペディアによると シリアの安全保障・・<以下引用>
シリアはアラブ世界ではエジプトに次ぐ軍事大国として知られる。シリアは徴兵制が敷かれており、男子の兵役義務がある。また敵国であるイスラエルの侵攻を防ぐために旧東側諸国の武器を重装備しており、おもに友好国であるロシアから武器を調達している。
シリア軍の総兵力は現役約32万人、予備役は50万人である。陸軍の総兵力は約21万5000人、海軍総兵力約5000人に加えて予備役約4000人、空軍総兵力約7万人、防空軍総兵力約4万人である。また、これらの正規軍のほかにイスラエルの侵攻に備えて、ゲリラ戦を行うために複数の民兵が組織されている。
シリアの軍事予算は国家予算の1割を占め、膨大な軍事費のためにシリアの財政を非常に圧迫している。またハマース、ヒズブッラー、PFLPなどのゲリラ組織への資金援助、武器援助などを加えると軍事費はさらに膨大なものとなっている。
また、タルトゥース港とフメイミム空軍基地(ラタキア)にロシア連邦軍が駐留し、同軍の地中海における拠点となっている。(ウィキペディアから引用終わり)
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