culture & history

ロシアそして日本は「母なる大地・自然」に象徴される土着力を有している。

2022年3月4日 金曜日 晴れ

馬渕睦夫 世界を操る支配者の正体 講談社 2014年 (今回は紙の本が手に入らなかったため、キンドル版で読了:馬渕睦夫. 世界を操る支配者の正体 Kindle 版)

補註 著者の馬淵氏は外交官、元・駐ウクライナ大使。同書は2014年10月に出版された本ですが、2022年2月に始まったロシアとウクライナとの戦争を歴史的に理解する助けとなります。メインストリームの報道だけでは表面的な勘違いをしてしまうきらいがあります。本書や馬淵氏のユーチューブ記事などを是非お奨めしたいと思います。

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偽装作戦を見破る方法は、ウクライナ危機の本質はプーチン抹殺にあるという視点から、一つ一つの出来事を私たち自らの頭で検証することです。つまり、ロシア愛国主義者のプーチン大統領を失脚させて、ロシアをグローバル市場に組みこむことが、ウクライナ危機の隠された目的なのです。この真相を世界から隠すために、ウクライナを巡り大がかりな偽装作戦が行われているのです。プーチン大統領を失脚させるためにウクライナを犠牲にしたと世界に知られては、都合が悪いからです。 馬渕睦夫. 同書 (Kindle の位置No.583-587). Kindle 版.

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政府に融資することが大金融資本家を生むメカニズムなのです。ロシア政府は二つ返事で銀行の融資を受け入れますが、天然資源の国営企業を融資の担保として取られたわけです。ロシア政府は借りた金を返せるはずがありません。かくして、ロシアの石油や鉱物資源などは民間銀行家の所有となってしまったわけです。馬渕睦夫 (Kindle の位置No.639-642). Kindle 版.

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そうして政商としては腰砕けになった新興財閥の中で、最後までプーチン大統領に抵抗したのがミハイル・ホドルコフスキーでした。プーチン大統領とホドルコフスキーとの戦いはアメリカやイギリスを巻き込んだ国際的性格を帯びることになります。この闘争の内実を理解することが、現在のウクライナ危機の本質を理解することにつながります。(馬渕睦夫. (Kindle の位置No.711-714). Kindle 版.

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その一人がイギリスのジェイコブ・ロスチャイルド卿でした。ホドルコフスキーはロスチャイルド卿と組んでNGOの「オープン・ロシア財団」をロンドンに設立しました。読んで字の通り、「ロシアを欧米世界に開放する」というもので、ロシア民族主義者たるプーチンを刺激する活動です。 (馬渕睦夫. (Kindle の位置No.725-728). Kindle 版.

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ホドルコフスキー逮捕投獄を機に新たな米露冷戦がはじまったと見られます。世界のメディアは、2007年2月のミュンヘン安保会議におけるプーチン大統領のアメリカ非難スピーチをもって新冷戦の開始と伝えましたが、実際には2003年の10月に始まっていたのです。 (馬渕睦夫. (Kindle の位置No.741-744). Kindle 版.

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私たちは、アメリカは国際主義者が主導する国になったことを理解する必要があります。国際主義のアメリカはナショナリスト的主張をする日本、特に安倍総理には警戒感を持ち、愛国主義者プーチン大統領にはウクライナ危機を口実に圧力を強めているのです。(馬渕睦夫. (Kindle の位置No.1794-1796). Kindle 版.

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2022年3月11日追記 松田政策研究所のユーチューブ番組もご覧ください。

緊急特番!『馬渕大使登場!ウクライナ危機は2014年から始まる”ネオコン”対プーチンの闘いだ!』ゲスト:元ウクライナ大使 馬渕睦夫氏 youtube.com/watch?v=Cmnpn93FS9Q

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