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民主的な手続きによる精神的貴族政治(アリストデモクラシー):「民主主義」を肯定的に用いるために満たすべき条件

2022年9月18日 日曜日 曇りのち雨

昨日に続いて朝から「季節外れの電牧柵張り作業」。あいにくお昼前から雨が降り始めて、黒ポール打ちを雨に濡れながらも遂行。それを終えてから撤収。白ポール打ち、さらに電線張り4周という大変な作業が残っている。秋になって降って来た人災にくずおれそうになりながらも、耐えて作業している。さらに、少し諦めがつきやすいことではあるが、天候にも恵まれていない。

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小浜逸郎 デタラメが世界を動かしている PHP研究所 2016年

「民主主義」という言葉を少しでも肯定的に用いるために、最低限、次の要件を満たす必要があります。

① この制度を金科玉条と思わず、常に懐疑の精神を失わないこと。

② 政治に携わる人は、多数の多様な民の要求・利害をうまく調整して統合するだけの、専門的な能力、豊富な経験、決断力、公共精神をもった「選ばれた」人であること。

③ 国民は、どういう人がそれに値するかについて、情実やイメージに惑わされず、できるかぎり理性的な判断力を養うこと。

④ 適切な人が選ばれるためにはどういう選抜制度が必要であるかについて、可能なかぎり智慧を絞ること。

⑤ 議員の選抜にあたっては、その手続きが透明なものとして開かれていること。

⑥ 民主政とは適切な人を選ぶための手続きにすぎず、多数決がその制度の正しさを証明するものではないことをよくわきまえること。

こういう要件が本当に満たされると、実際には、私たちがいま抱いている「民主主義」のイメージとは、だいぶ違ったものとなるはずです。私はこれをあえて、「民主的な手続きによる精神的貴族政治(アリストデモクラシー)」と呼ぼうと思います。(小浜、同書、p284-285)

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