politics & economy

原発の問題は高度に政治的な問題:取り扱い技術に不備が生じたとき、それを捨てるのではなく、より高い技術によって難点を克服していく以外に手はない。

2022年9月18日 日曜日 曇りのち雨

小浜逸郎 デタラメが世界を動かしている PHP研究所 2016年

・・原発の問題は、・・公共的見地から見て、より適切な優先順位をどうつけていくかという問題なのです。言葉は悪いですが、「適当なところで手を打つ」という発想をとるほかはありません。

1グラムのウランを核分裂させたときに発生するエネルギーは、1グラムの石油を燃焼させたときに得られるエネルギーの800万倍です。こういう途方もないものを手にしてしまった人類は、プロメテウスが与えたこの第三の火(第二は電気)をけっして手放すことはないでしょう。取り扱い技術に不備が生じたとき、それを捨てるのではなく、より高い技術によって難点を克服していく以外に手はないのです。

いままで、すべての技術がそうでした。そのことをペシミスティックに受容しつつ生きてゆく覚悟が大事なのだと思います。(小浜、同書、p304)

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・・日本のエネルギーの未来にとってバランスある資源構成を確保しておくために、こうした研究や技術開発を続けることは、ぜひとも必要です。そのためにも国は大きな予算を投じるべきなのです。それを怠ると、せっかくこれまで積み上げてきた高度な技術とその応用の実績が継承されなくなります。現に、この原発停止期間に、嫌気がさした技術者たちが多数辞めていっているそうです。(小浜、同書、p302-303)

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